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2015年に開催された国連気候変動枠組条約締結国会議(COP)の合意事項に基づく「パリ協定」は、世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2℃以内に抑えるため(努力目標:1.5℃以内)、21世紀後半までに温室効果ガスの排出量と吸収量をバランスさせる「カーボンニュートラル」の達成を目標に掲げました。また、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は産業革命以降の気温上昇を1.5℃以内にとどめるには2050年あたりまでにカーボンニュートラルを達成すべきと報告しています。これらを受けて、2021年1月20日までに日本を含む世界124か国がカーボンニュートラルの達成を表明しています。カーボンニュートラルへ挑むことは、環境と成長の好循環を生み出すグリーンイノベーションを導くとの期待も拡がっています。
このような国際情勢のもと、日本政府(経済産業省)はカーボンニュートラルを達成するための様々な技術課題を定めており、運輸部門が使用する石油系燃料を植物由来の合成燃料で置き換えることが課題の1つに挙がっています。本講演では、植物由来の合成燃料である「バイオディーゼル燃料」に関する学術的な基礎知識、実用するための応用知識、および技術(研究)開発動向を説明・紹介します。本講演で知りえたことが新たな事業の芽生えにつながると幸いです。