0. はじめに:自然界の意志(自然を支配する原理)
0.1 確率の大きい状態へ:エントロピー(無秩序さの度合)を増やしたい
<斥力的な作用>
0.2 力に逆らわない→ポテンシャルエネルギー(力に逆らっている度合)を下げたい
(力に逆らうと、エネルギーが上がってしまう) <引力的な作用>
0.3 力とポテンシャルエネルギー(力に逆らっている度合)の関係
1. ナノ粒子・微粒子集団は必ず凝集する
1.1 分子間に引力がないと分子集団から微粒子(分子集合体)はできない
1.2 分子間に働く普遍的なファンデルワールス引力
1.3 微粒子表面の分子は微粒子内部の分子に比べ高エネルギー状態にある
1.4 微粒子間に斥力がなければ、
分散媒質との親和性が強くない限り、微粒子集団は必ず凝集する
1.5 エネルギーと電位の尺度;熱エネルギー4×10-21 Jと25 mVが基準値
1.6 ポテンシャル曲線の谷と山の意味:山を越えられるか、谷から抜け出せるか
2. 分子間引力とナノ粒子・微粒子間引力
2.1 微粒子間引力は分子間に働くファンデルワールス引力を合計したもの
2.2 微粒子集団の凝集促進因子:ハマカー定数
2.3 分散の目安:ハマカー定数に打ちかつ微粒子間斥力が必要
2.4 似た者同士は引き合う「類は友を呼ぶ」
2.5 疎水性粒子と親水性粒子
3. 微粒子間引力に対抗する微粒子間斥力を得る方法:何かで粒子表面を覆う
3.1 静電斥力:対イオンの雲で粒子表面を覆う
3.2 高分子等で粒子表面を被覆:立体相互作用
4. 界面電気現象の基礎
4.1 水系と非水系(有機溶媒系)の違い:誘電率の差(誘電率の大きな水と小さな油)
4.2 電荷と電場・電位の関係
4.3 帯電微粒子は裸ではなく拡散電気二重層(対イオンの雲)で覆われている
4.4 拡散電気二重層の厚さと微粒子表面の電位が界面電気現象を支配する
4.5 ポアソン・ボルツマンの式
4.6 微粒子集団の分散促進因子:ゼータ電位(表面電位にほぼ等しい)
4.7 分散の目安:熱エネルギーに相当するゼータ電位25mVが基準
5. 電気泳動移動度の測定とゼータ電位を計算する式:
ゼータ電位は直接測定する量ではなく計算から求める。どの式を用いるべきかが重要
5.1 電気泳動とゼータ電位
5.2 スモルコフスキーの式:大きな固体粒子に適用、形状によらない
5.3 ヒュッケルの式:小さな固体粒子や非水系(有機溶媒系)に適用
5.4 ヘンリーの式:任意のサイズでゼータ電位が50mV以下の球状固体粒子に適用
5.5 円柱状固体粒子の場合:粒子の方向について平均をとると球と大差ない
5.6 ゼータ電位が50mV以上では緩和効果(拡散電気二重層の変形)が重要になる
5.7 緩和効果を考慮した式:任意のサイズとゼータ電位をもつ球状固体粒子に適用
5.8 種々の理論式の適用範囲
5.9 測定例
6. エマルションと柔らかい粒子(高分子で被覆した粒子)の電気泳動
6.1 エマルションは同じゼータ電位をもつ固体粒子より速く泳動する
6.2 ヘルマン・藤田の球状高分子電解質の電気泳動理論
6.3 柔らかい粒子の電気泳動は固体粒子と全く異なる
6.4 柔らかい粒子か固体粒子かの見分け方
6.5 柔らかい粒子の電気泳動移動度の解析法と実例
7. 沈降電位、濃厚系、非水系(有機溶媒系)の電気泳動および動的電気泳動
:CVP法とESA法
7.1 沈降電位:CVPと同じ原理
7.2 体積分率が1%を超えると濃厚系の扱いが必要
7.3 動的電気泳動:CVP法とESA法
7.4 非水系(有機溶媒系)では、粒子の電荷が非常に大きいと電荷に依存しない
一定の電気泳動移動度を示すようになる:対イオン凝縮効果
8. 微粒子間の静電反発エネルギー: DLVO理論
8.1 1個の粒子に働く力
8.2 2個の粒子間の静電斥力:拡散電気二重層の重なりが引き起こす対イオンの浸透圧増加
8.3 DLVO理論:分散安定性を説明する標準理論
9. 分散系の安定性を評価する方法:エクセルを用いたポテンシャル曲線の描き方
9.1 全相互作用エネルギーとナノ粒子・微粒子分散系の安定性
9.2 安定性のわかるマップ:ポテンシャルの山の高さが熱エネルギーkTの15倍あると安定
9.3 凝集確率と安定度比の計算法
9.4 柔らかい粒子の場合
9.5 エクセルプログラム
9.6 非水系(有機溶媒系)における球状粒子間の全相互作用のポテンシャル曲線
9.7 結論
□質疑応答□