第1部:異物分析のためのSEM/EDS基礎と応用
【講演のポイント】
走査電子顕微鏡(SEM)は光学顕微鏡に比べて高い倍率と大きな焦点深度が得られる。しかも塊(バルク)状の物質表面を直接観察できるため、様々な分野で材料開発や故障解析などに使われている。また、エネルギー分散形X線分光器(EDS)との組み合わせたSEM/EDSシステムにより観察している視野内の局所の元素分析を行うことも一般的な使われ方である。今回の講演では、SEMそのものの構造と得られる試料情報を再確認するとともに、ユーザーが陥り易い落とし穴や、どうすればより多くの試料情報を正確に得ることができるかを紹介する。また材料の表面あるいは内部に存在する異物の解析では、SEM/EDSで最適な観察・分析条件を設定することに加えて、試料の前処理が非常に重要となる。講演では試料の断面作製に関しても手法と事例を紹介する。
【プログラム】
1.はじめに
2.SEMの原理
2-1 SEMの構造
2-2 SEMで得られる信号(試料情報)
2-3 SEMを上手に使う
2-4 最新SEMでできること
3.SEM/EDSシステムによる元素分析
3-1 EDSによる元素分析
3-2 EDS分析における注意点
4.試料前処理
4-1 断面作製手法
4-2 収束イオンビーム(FIB)法とブロードイオンビーム(BIB)法
5.異物分析事例
ガラス基板上多層膜の異物解析など
6.まとめ
第2部:FTIR の基礎と異物分析を中心とした測定・解析事例
【講座概要】
・FTIR や顕微 IR を用いた異物分析のノウハウを基礎から丁寧に説明。
・前処理や測定のちょっとしたコツできれいなスペクトルを得る方法を解説。
【プログラム】
1.赤外分光法の基礎とスペクトルの解析法
1-1.赤外分光法の基礎
1-2.スペクトルの解析法の基礎
1-3.スペクトルの帰属の例
1-4.検索プログラムを利用した解析法
2.FTIRの原理
2-1.FTIRの装置の原理 ~ IRスペクトルが得られるまで ~
2-2.最適な測定パラメータの設定
3.各種測定法の原理とスペクトルの取扱 ~正しいスペクトルの取得、データ処理、解析事例~
3-1.透過測定法
3-2.ATR を中心とした反射測定の原理と測定テクニック
4.顕微FTIR
4-1.顕微 FTIR の原理
4-2.クオリティの高いデータ取得のためのテクニック ~前処理編~
4-3.クオリティの高いデータ取得のためのテクニック ~測定編~
4-4.赤外イメージングと異物分析を中心とした測定例