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電気化学キャパシタの一つである電気二重層キャパシタは、優れた出力密度ならびに充放電サイクル寿命を有するため、既に小型携帯機器のバックアップ電源として30年以上の歴史があり、今ではその特性を生かして工場での電力安定化システムにも用いられるようになった。最近では電気自動車用電源や再生可能エネルギーの電力貯蔵源としても期待されている。電気二重層キャパシタを構成するキーマテリアルの一つが活性炭である。キャパシタの欠点である低いエネルギー密度を改善し、かつキャパシタの信頼性をさらに高めるためには活性炭電極の容量と電気化学的安定性の向上が不可欠である。電気二重層キャパシタとリチウムイオン電池のハイブリッド蓄電デバイスであるリチウムイオンキャパシタにおいても活性炭電極に要求される特性は全く変わらない。
本セミナーでは、電気二重層キャパシタ・リチウムイオンキャパシタ用の活性炭電極の製法・特性・課題・評価方法を概説し、さらに演者の最近の研究事例を通して今後の研究開発動向について述べる。
1.はじめに〜炭素材料と電気化学〜
2.課題と解決策
2.1 電気二重層キャパシタとは?(リチウムイオンキャパシタとの関係について)
2.2 電気二重層キャパシタと電気化学キャパシタ・ハイブリッドキャパシタ
2.3 キャパシタ電極材としての活性炭の製法ならびに求められる特性
2.4 カーボンナノチューブのキャパシタへの応用
2.5 電界賦活による高容量化
2.6 活性炭への異種元素ドープ効果について
3.評価方法
3.1 容量評価方法について
3.2 活性炭電極の比表面積の評価と容量
3.3 ラゴンプロット作成手順
3.4 耐久性試験方法について
4.評価方法を踏まえた上での先端研究例
4.1 高電圧化への取り組み
4.2 活性炭電極への電気化学水晶振動子マイクロバランス法の応用
□ 質疑応答 □