☆衝撃問題における基礎知識から衝撃試験法の原理と方法まで解説します!
《趣旨》 自動車の衝突事故、モバイル電子機器の落下、竜巻による飛来物の衝突など衝撃的な現象は身近で起こっています。製品の設計・開発においてはこうした衝撃的な荷重に対し、いかに対応すべきかが常に求められています。しかし衝撃現象は突発的で瞬間的であるため、製品に対する衝撃荷重の大きさや作用時間などの設計要因をとらえることは容易ではありません。そこで現在では非線形有限要素法などによる数値シミュレーションが衝撃荷重に対する製品の応答予測に幅広く用いられています。本セミナーでは、実際に発生する衝撃事象をこうした数値シミュレーションでどのようにモデル化し、製品の強度設計に活かすかをわかりやすくご説明します。また市販の解析ソフトウェアのマニュアルからはわからない解析の落とし穴やコツについてもご紹介します。
1. 衝撃荷重とは
1-1. 実際の衝撃問題
1-2. 工学的なアプローチの方法
2. 数値シミュレーションのための基礎知識
2-1. 応力、ひずみ
2-2. 応力波
2-3. ひずみエネルギー
3. 衝撃問題のための有限要素法解析技術
3-1. 要素の種類と特徴
3-2. 陰解法と陽解法
3-2-1. 運動方程式の解法
3-2-2. 時間増分のコントロール
3-2-3. マススケーリング
3-3. 接触の取扱い
3-4. 物性モデル
3-5. 高精度な解析を行うための注意点
※プログラムの内容は多少変更される場合があります。
【質疑応答・名刺交換】
《趣旨》 一般に、衝撃負荷を受ける構造部材の応力状態や変形の様子は、ゆっくり負荷を受ける場合と大きく異なっていることが多い。これは、部材に作用する応力が波(応力波)となって伝播するため応力場が時間的に変化し、また、材料の変形そのものが速度の影響を受け、応力-ひずみ曲線が静的負荷の場合と異なるかです。それ故、衝撃負荷を受ける構造部材の複雑な変形挙動を把握するためには、有限要素法(FEM)などの数値解析がよく利用されます。ただ、衝撃変形を取り扱う数値解析には、材料のひずみ速度依存性を考慮した構成則(応力--ひずみ関係を律する関係式)が必要で、材料の衝撃負荷下での応力-ひずみ関係を実験的に求める必要があります。本講では、まず、衝撃負荷を受ける弾性体内に生じる応力波の伝播挙動について詳述し、それらを利用した、スプリット・ホプキンソン棒法や微小検知部付き応力棒法について概説します。最後に、チタン合金と発泡アルミニウムについて、それらの準静的および衝撃圧縮試験から、ひずみ速度依存性を考慮した構成式を同定した例を紹介します。
1. はじめに
2. 丸棒内を伝播する弾性応力波
2-1. 疎密波と捩り波
2-2. 衝撃により発生する応力
2-3. 不連続面を通過する応力波
3. スプリット・ホプキンソン棒法
3-1. ホプキンソン棒法の原理
3-2. ゴムメタルの衝撃圧縮変形
4 .その他の衝撃力計測
4-1. 時間に制限がない衝撃力の計測
4-2. 発泡アルミニウムの衝撃圧縮変形と構成式
5 .まとめ
【質疑応答・名刺交換】