色・質感・肌理・リアリティ・美醜などなど、
モノづくりや映像制作などで、見た目の印象を狙い通りに制御・操作したいとお考えの方、
旧来の色彩や心理学の理論では行き詰まりを感じている方に是非聞いて頂きたい一講です
近年大きく進展している脳科学の最新の研究成果を基に
質感・感性判断のメカニズムから感性判断データの計測・分析方法
更には画像特徴量の分析・制御による質感・美醜の合成までを解説
1. 質感と感性の脳情報学
1.1 視覚の仕組み
a. 網膜: 画像,色,受容野と画像フィルタ
b. 低次視覚皮質: 画像特徴の抽出,エッジ,空間周波数,画像統計量
c. 高次視覚皮質: 二つの主要経路,形状,色,テクスチャの分析
d. 物体認知: 物体認知の理論,画像特徴,深層学習
e. 色知覚: 色覚理論,色空間,色と質感の違い
1.2 質感を見分ける脳の仕組み
a. 自然画像の構造: 照明,表面,反射・屈折・散乱,CG
b. 自然画像と脳: 古典的視覚理論の限界,ヒューリスティクス,画像特徴量
c. 表面材質の知覚: 光沢の知覚,透明感の知覚,凹凸の知覚,照明の役割,質感の錯覚
d. 広義の「質感」: 画像の質感,絵画の質感
e. 聴覚・触覚における質感: 視覚からの類推で十分,音響質感合成法
1.3 良い質感と悪い質感-視覚的な快不快をもたらす脳の仕組み
a. 情動と感情の脳科学: 皮質下回路,扁桃体,前頭葉,ヘビ恐怖
b. 美醜への科学的アプローチ: 黄金率,色彩調和,構図
c. 醜い質感を決める画像特徴量: 心理実験,物体認知との関係,脳の反応
2. 質感と感性の計測・分析方法
2.1 心理実験の基礎
a. 主観を客観的に測るには: 脳の反応だけを測ることの無意味さ
b. 心理物理学の基本的な考え方: 刺激・システム・反応
c. 情報処理という枠組み: 独立変数,従属変数,課題,ブラックボックス
d. 素人の陥る罠: 強い結果と弱い結果,再現性,個人差,研究倫理
2.2 見え・質感を計測するための実験作法
a. 実験の準備: 装置,輝度と色度,オンライン実験
b. 評定・マグニチュード推定
c. 比較判断: 反応率,一対比較,適応的比較行列
2.3 画像特徴量の分析・制御による質感・美醜の合成
a. 自然界の画像
b. 画像特徴量: 画像統計量,SIFT, Gist, 深層特徴
c. 画像統計量の分析方法1 : 周波数解析,サブバンドフィルタ,エネルギー表現,色表現
d. 画像統計量の分析方法2 : モーメント統計量,高次統計量
e. 心理データと画像統計量の関係分析: 相関,回帰,正準相関,機械学習と深層学習
f. 質感と見えを操作する: 画像統計量の操作,テクスチャ合成,深層スタイル合成
□質疑応答□