第1部 eAxleの市場展望
(10:00~11:00)
各国における環境規制の強化により、電動車の販売台数が急激に拡大している。そのような中、電動車市場における価格競争が激化し、基幹部品を中心にコストダウンが急ピッチで進められている。コストダウンの手法の一つとしてeAxleの搭載が有望とされており、中国市場を中心に置き換えが急速に進んでいる。
また、eAxleは現状、3in1が主力であるが、既に自動車メーカーのニーズは3in1から移行しており、4in1以上が要求され始めている。
本講座では、乗用車に搭載されるeAxleの市場と技術トレンドを紹介する。
1. 乗用車における電動車市場トレンド
2. eAxleの最新市場トレンド
3. eAxleにおける構成部品の技術動向・方向性
4. 高電圧化が進むeAxleの最新トレンド
5. 今後の展望
第2部 EV用省資源型e-Axleの開発
(11:10~12:30)
カーボンニュートラルの要請による次世代車の電動化は、バッテリーのみならずe-Axleに於いても使用する部素材の安定供給面で課題となる。当社独自の素材・プロセスの特長を最大限に活かしたEV用省資源型e-Axle用のモータおよび減速機の開発に取り組み、技術実証に成功した。開発品はモータの高速化と減速機の高減速化により、従来同出力品の1/2以下の資源使用量に抑制した。
本講演では、e-Axle用のモータ、減速機の課題認識、開発コンセプト、コンセプトを具現化する素材、プロセスについてをご紹介する。
1. 愛知製鋼のご紹介
高強度材料、鍛鋼一貫生産、Nd系ボンド磁石
2. e-Axle普及の課題
磁石(レアアース)、電磁鋼板、銅の供給
3. 省資源型e-Axle開発コンセプト
モータ高速化、減速機の高減速化の課題対応
4. 開発コンセプトを具現化する要素技術
磁粉、磁石、ギヤ鋼、リサイクル
第3部 EV高回転モータ用トラクションドライブの技術動向
(13:30~14:30)
電気モータは高回転化によって小型化が可能であり、小型高効率の減速機と組み合わせることで高パワー密度の駆動システムを実現できる。トラクションドライブはかみ合い振動がなく振動騒音が小さいため、高速運転を行う減速機の伝達要素に適している。しかしながら高速時は油膜が厚くなり、伝達性能(トラクション係数)の低下が懸念される。そこで最高回転数50000rpmでの運転が可能な高速試験機を設計製作し、トラクションドライブと歯車の性能比較を行った。さらにテクスチャによるトラクション係数向上の効果について解説する。
1. 電動パワートレインの高回転化の動向
2. トラクションドライブの動作原理と高回転での特性
3. 高回転トラクションドライブの実用例
4. 高回転におけるトラクションドライブと歯車の性能比較
5. 高回転トラクションドライブ減速機の構造と課題
第4部 EV,e-Axleにおけるフルードの要求特性と展望
(14:40~15:40)
約100年にわたって発展してきた自動車の動力源が、内燃機関から電気モーターに変わりつつある。これに伴い、エンジン油が不要となることはもとより、駆動系の機構も大幅に変わることから、駆動系潤滑油についても、要求特性の変化が起こりつつある。
本講座では、駆動系機構の変化に伴う駆動系潤滑油(フルード)への要求性能の変化につき、将来展望を含めて解説する。
1. EV, e-Axle用フルードの種類
2. EV, e-Axle用フルードの要求特性
・冷却性
・電気特性
・耐荷重性
・疲労摩耗防止性
・摩擦特性
・消泡性
・材料適合性
・その他
3. EV, e-Axle用フルードの構成基剤
・基油
・添加剤
4. EV, e-Axle用フルードの将来展望
第5部 e-Axleにおける樹脂材料への要求特性と展望
(15:50~16:30)
e-Axleを構成するモータ、インバータ、ギヤのそれぞれにおいて、軽量化、高電圧化、高効率化等に応える技術開発が進み、材料に対する要求特性が進化、新たな樹脂材料の開発が進みつつある。本講演では、まずそれぞれについて樹脂材料の要求特性と開発状況をわかりやすく説明した上で、これらを組み合わせたe-Axleの樹脂材料の展望を説明する。
1. モータにおける樹脂材料の要求特性と開発状況
2. インバータにおける樹脂材料の要求特性と開発状況
3. ギヤにおける樹脂材料の要求特性と展望
4. e-Axleにおける樹脂材料の展望