2008年度~2012年度、文部科学省研究補助金 新学術領域研究での最新成果をまとめた一冊!フラーレンやポルフィリンをはじめとした、多彩なπ電子系化合物研究の最前線を紹介!

高次π空間の創発と機能開発
Emergence of Highly Elaborated π-Space and It’s Function

商品概要
個数

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略称
高次π空間
商品No
bk7423
発刊日
2013年03月01日(金)
ISBN
978-4-7813-0758-9
体裁
B5判、245ページ
価格
72,600円 (本体価格:66,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
シーエムシー出版
問い合わせ
(株)R&D支援センター TEL:03-5857-4811 MAIL:info@rdsc.co.jp
監修
徳丸克己   筑波大学名誉教授;(独)産業技術総合研究所 フレキシブルエレクトロニクス研究センター 客員研究員
土屋敬広   筑波大学 生命領域学際研究センター 数理物質科学系 講師
溝呂木直美   筑波大学 生命領域学際研究センター 博士研究員
永瀬茂   京都大学 福井謙一記念研究センター シニアリサーチフェロー
赤阪健   筑波大学 生命領域学際研究センター 数理物質科学系 教授
安蘇芳雄   大阪大学 産業科学研究所 産業科学ナノテクノロジーセンター 教授
安倍学   広島大学 大学院理学研究科 化学専攻 教授
岩本武明   東北大学 大学院理学研究科 化学専攻 教授
川瀬毅   兵庫県立大学 大学院工学研究科 物質系工学専攻 教授
小林潤司   国際基督教大学 教養学部 准教授
櫻井英博   分子科学研究所 分子スケールナノサイエンスセンター 准教授
関口章   筑波大学 数理物質系・化学域 教授
藤原尚   近畿大学 理工学部 応用化学科 教授
仲程司   近畿大学 理工学部 応用化学科 講師
松尾司   近畿大学 理工学部 応用化学科 准教授
水畑吉行   京都大学 化学研究所 物質創製化学研究系 有機元素化学研究領域 助教
村田靖次郎   京都大学 化学研究所 構造有機化学研究領域 教授
山口茂弘   名古屋大学 物質科学国際研究センター 教授
森重樹   愛媛大学 総合科学研究支援センター 特任講師
宇野英満   愛媛大学 大学院理工学研究科 教授
荒谷直樹   奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 准教授
大須賀篤弘   京都大学 大学院理学研究科 化学専攻 教授
清水宗治   東北大学 大学院理学研究科 化学専攻 講師
小林長夫   東北大学 大学院理学研究科 化学専攻 教授
忍久保洋   名古屋大学 大学院工学研究科 化学・生物工学専攻 教授
鈴木修一   大阪市立大学 大学院理学研究科 物質分子系専攻 講師
田代健太郎   (独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 MANA研究者
谷文都   九州大学 先導物質化学研究所 准教授
辻勇人   東京大学 大学院理学系研究科 准教授
古田弘幸   九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 教授
俣野善博   京都大学 大学院工学研究科 准教授
狩野佑介   大阪府立大学 大学院工学研究科
太田英輔   大阪府立大学 大学院工学研究科 助教
池田浩   大阪府立大学 大学院工学研究科 教授
金原正幸   岡山大学 異分野融合先端研究コア 助教(特任)
菊池純一   奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 教授
安原主馬   奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 助教
田原圭志朗   奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 助教
北村千寿   兵庫県立大学 大学院工学研究科 准教授
佐伯昭紀   大阪大学 大学院工学研究科 助教
関修平   大阪大学 大学院工学研究科 教授
羽曾部卓   慶應義塾大学 理工学部 化学科 准教授
福住俊一   大阪大学大学院 工学研究科 生命先端工学専攻 教授
真島豊   東京工業大学 応用セラミックス研究所 教授
松尾豊   東京大学 大学院理学系研究科 光電変換化学講座 特任教授
村田英幸   北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科 教授
柳和宏   首都大学東京 理工学研究科 物理学専攻 准教授
柳久雄   奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 教授
佐々木史雄   (独)産業技術総合研究所 電子光技術研究部門 主任研究員
堀田収   京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 教授
鬼頭-西岡宏任   京都大学 大学院理学研究科 特定研究員
安藤耕司   京都大学 大学院理学研究科 准教授
磯部寛之   東北大学 大学院理学研究科 教授
藤野智子   東北大学 大学院理学研究科 助教
川井清彦   大阪大学 産業科学研究所 准教授
神取秀樹   名古屋工業大学 大学院工学研究科 教授
寺角香菜子   京都大学 大学院薬学研究科 構造生物薬学分野 研究員
中津亨   京都大学 大学院薬学研究科 構造生物薬学分野 准教授
野口巧   名古屋大学 大学院理学研究科 物質理学専攻(物理系) 教授
藤本和宏   神戸大学 大学院システム情報学研究科 講師
山本泰彦   筑波大学 数理物質系 化学域 教授
太虎林   筑波大学 数理物質系 化学域 特任助教
発刊にあたって
フラーレンやポルフィリンに代表されるπ電子系化合物の合成、物性解明、さらには機能発現に関する研究は、着実な進展をみせており、さらなる展開を図ろうとする機運が高まっています。このような状況の中、平成20年度~24年度にかけて文部科学省の新学術領域研究『高次π空間の創発と機能開発』が進められました。この研究領域では、分子に多様な機能や構造をもたらすπ電子に焦点を当て、これまでにない超分子的集積化ならびに光・電子・磁場の影響などさまざまな相互作用の研究が展開されました。具体的には、π電子を軸とした相互作用により高度で複雑な秩序やシステムが生じる場を『高次π空間』と定義し、はっきりとした目的や方向性をもった研究(ストラテジックリサーチ)と、自立的な要素が多数集まることで初めて起きる創発的研究の2 つを、同時にかつ並行して行うことを目指しました。サイエンスの確実な進歩と予測不可能性に根ざしたイノベーションを実現し、次世代の新しい化学の学術創成に貢献することを目的として行った研究の成果をまとめたのが本書です。
 第1章では、「非平面」を切り口に湾曲した有機π電子系化合物の創製とその集積化による機能開拓の研究が紹介されています。平面π電子系に非平面性を導入することによって生じるπ曲面は、通常のπ平面に比べて特異な反応性を示すことが知られており、このような活性化されたπ曲面を三次元に拡張または集積化することで、効率の良いエネルギー移動や電子移動特性を発現します。このような「非平面」の『高次π空間』を駆使した新物性の開拓や機能化が展開されています。
 第2章では、有機π電子系化合物を新しい手法によって集積化することでさまざまな機能をもつ『高次π空間』の開発例が紹介されています。今や、有機π電子系分子はその高いポテンシャルが再認識され、有機ELや有機FET(トランジスター)、有機太陽電池などさまざまな応用展開が考えられつつある魅力的な分子群です。これらの実用的研究をさらに発展させるため、斬新な手法による有機π電子化学の新局面が開拓されるとともにこれまでの有機π電子化学を超えた原理的に新しい分子開発や集積体構築法の開発が進んでいます。
 第3章では、『高次π空間』の精緻な物性評価手法を確立するとともに、その評価に基づいた革新的機能の探求例が紹介されています。新しい電子機能性材料の研究開発は、地球環境エネルギー問題の解決やユビキタスネット社会(高度IT化)実現にもつながるため、π電子系が電子、光、磁場と相互作用により引き起こす機能発現を定量評価する手法は重要です。このような基礎物性評価が機能発現要因の真の理解へとつながり、新物質群の創製や新規構造構築へとフィードバックされています。
 第4章では、生体分子の機能に重要な役割を担うπ電子系の機能発現メカニズムを解明し、その知見を活用した機能性物質の開発例が紹介されます。生体内のタンパク質や核酸は『高次π空間』の宝庫であり、芳香族化合物やポリエンといったπ電子豊富な分子が機能性部位ではたらいています。生体系におけるπ空間の制御メカニズムが分光学的・構造生物学的・計算科学などの手法を用いて明らかにされています。また、生体系を構成する分子を用いた新たな機能性分子が開発されています。
 研究領域では個別の研究に留まらず緊密な連携のもとでの共同研究も推進されましたが、それらは本書に記されている通りです。本書には『高次π空間』にかける研究者の夢や熱意、挑戦が詰まっています。この領域研究の最新成果をまとめた本書が、広く研究者や企業の方にお役立ていただけることがあれば幸いです。
書籍の内容
第1章 新しいπ電子化合物の創製

1 π空間に閉じ込められた物質系の創製と機能 (土屋敬広、溝呂木直美、永瀬茂、赤阪健)
1.1 はじめに
1.2 La@C82のラジカルカップリング反応
1.3 La@C82とジエンとの位置特異的可逆付加反応
1.4 Sc2C82の構造解析
1.5 π共役拡張型テトラチアフルバレンを用いたLa2@C80を鍵分子とするドナー・アクセプター連結型分子の合成
1.6 金属内包フラーレン誘導体の電荷輸送特性

2 拡張π電子共役系の創製に基づく高次π空間の機能とエレクトロニクス応用 (安蘇芳雄)
2.1 はじめに
2.2 分岐構造を導入したオリゴチオフェン・ポリチオフェンの開発と機能
2.3 パーフルオロアルキル基を有するオリゴチオフェン/フラーレン連結系の開発と機能
2.4 分子エレクトロニクスに向けた絶縁被覆分子ワイヤの開発と評価
2.5 おわりに

3 炭素-炭素π単結合の創製による新規π電子系の構築 (安倍学)
3.1 はじめに
3.2 局在化ジラジカルのスピン整列
3.3 Ⅰ型の一重項シクロペンタン-1,3-ジラジカルの発生とその反応性
3.4 長寿命Ⅰ型一重項ジラジカルの発生
3.5 ストレッチ効果を利用したπ単結合性化合物の長寿命化

4 構造制御されたケイ素π電子系化合物の合成と構造 (岩本武明)
4.1 はじめに
4.2 ケイ素π系から炭素π系への電荷移動吸収帯を示す含ケイ素二重結合化合物
4.3 二重結合まわりの構造制御によるジシレンの電子状態と反応性の制御

5 特異なπ空間をもつ縮合多環状共役系化合物の構築 (川瀬毅)
5.1 はじめに
5.2 ニッケル錯体を用いたジベンゾペンタレン類の合成
5.3 ニッケル錯体を用いたπ拡張ペンタレン類の合成
5.4 π拡張ペンタレン類の結晶構造
5.5 π拡張ペンタレン類の吸収スペクトルと理論計算による電子構造
5.6 ジナフトペンタレンの固体物性
5.7 おわりに

6 スマネン骨格を有する三座配位子を活用したバルクおよび金属表面での高次π空間の創出
(小林潤司)

7 精密有機合成によるカーボンπ空間の構築 (櫻井英博)
7.1 はじめに
7.2 キラルバッキーボウルの合成法の確立
7.3 トリアザスマネンの合成
7.4 おわりに

8 三重結合ケイ素化合物による特異なπ空間の創出と反応場の形成 (関口章)
8.1 はじめに
8.2 ケイ素三重結合への付加反応および付加環化反応
8.3 ジアザジシラベンゼンおよびジシアノジシレン
8.4 ビラジカロイド
8.5 N-ヘテロ環カルベンとの反応およびジシレニルカチオンの合成
8.6 まとめ

9 高次組織化π共役ポリマーナノチューブ複合体のキラルπ空間制御と機能開発 (藤原尚、仲程司)
9.1 はじめに
9.2 金属ナノ粒子-ポリチオフェンハイブリッドナノチューブの合成とナノ触媒能
9.3 異種金属ナノ粒子バーコード型キラルハイブリッドナノチューブ
9.4 プラズモン活性金属ナノ粒子-フラーレン-ポリチオフェンナノチューブ複合体における表面増強ラマン散乱:プラズモニックナノチューブ
9.5 キラルマグネタイト-ポリチオフェンハイブリッドナノチューブ:キラル磁性ナノチューブ
9.6 磁性ナノ粒子のπ空間包接複合体
9.7 レドックス機能化πチューブにおけるゲスト分子・金属ナノ粒子の包接と放出

10 π共役電子系ジシレン化合物の構築と機能開発 (松尾司)
10.1 はじめに
10.2 π共役系ジシレン化合物
10.3 ケイ素アヌレン化合物
10.4 おわりに

11 リン原子を骨格構成元素とするフタロシアニン類の合成とその性質 (水畑吉行)
11.1 はじめに
11.2 フタロシアニン-リン類縁体の合成検討

12 活性小分子の内包された球状π空間の創製と物性制御 (村田靖次郎)
12.1 はじめに
12.2 結果と考察
12.2.1 水素分子内包フラーレンの合成とフラーレン内部の磁気環境
12.2.2 内包水素分子の核スピン変換
12.2.3 C60内部における水単分子の実現
12.3 おわりに

13 ホウ素を含むπ電子系の創製 (山口茂弘)
13.1 はじめに
13.2 特異な電子構造をつくる:ボロールを含むπ電子系
13.3 安定化の新しい考え方:平面固定トリアリールボラン
13.4 新たなホウ素π電子系-ホウ素ドープナノグラフェン
13.5 おわりに


第2章 π電子化合物の集積化による高次π空間の開発

1 ベンゼン融合ジピロール前駆体を鍵骨格としたπ電子系の創出とその物性評価 (森重樹、宇野英満)

2 新規共役ポルフィリノイドの分子設計とπ空間の構築 (荒谷直樹、大須賀篤弘)
2.1 はじめに
2.2 様々な結合様式をもつポルフィリン多量体
2.3 まとめ

3 フタロシアニンを用いた新規π電子分子の創製 (清水宗治、小林長夫)
3.1 はじめに
3.2 MCD測定を用いた有機π電子系分子の電子構造解明
3.2.1 環拡張フタロシアニン
3.2.2 元素の特性により近赤外吸収を示すフタロシアニンリン錯体
3.2.3 フタロシアニン4量体
3.4 今後の展望

4 ジピリン誘導体の連結反応による新規ポルフィリノイドの合成 (忍久保洋)
4.1 はじめに
4.2 反芳香族性環状BODIPY多量体の合成
4.3 ジピリン金属錯体からポルフィリノイドへ
4.3.1 アザコロールおよびジアザポルフィリンの合成
4.3.2 チアコロールおよびジチアポルフィリンの合成
4.3.3 ノルコロールおよびオキサコロールの合成
4.4 まとめ

5 安定高スピンπ電子系の創出と物性開拓 (鈴木修一)
5.1 はじめに
5.2 ヘテロ原子導入型トリメチレンメタン
5.3 ニトロニルニトロキシド置換酸素架橋トリフェニルアミン
5.4 トリニトロキシド置換酸素架橋トリフェニルアミン
5.5 おわりに

6 π電子化合物のシークエンス制御 (田代健太郎)
6.1 はじめに
6.2 π電子化合物集積体中のシークエンス制御によるヘテロジャンクションの設計
6.3 強磁性/フェリ磁性がスイッチするπ電子化合物シークエンスの発見
6.4 π電子界面を利用した分子の配列パターン制御
6.5 配列制御による液晶性有機半導体のデザイン
6.6 固相合成法を用いたπ電子系金属錯体アレイの構築

7 自己集合性ポルフィリンによる高次π空間の創出と機能性π複合体の構築 (谷文都)
7.1 はじめに
7.2 溶液中での複合体形成
7.3 ニッケルポルフィリン二量体とC60のπ複合体
7.4 フリーベースポルフィリン二量体とC60のπ複合体
7.5 ポルフィリン二量体とPCBMやC70のπ複合体
7.6 まとめ

8 縮環フラン化合物の集積化に基づく光・電子機能発現 (辻勇人)
8.1 はじめに
8.2 ベンゾジフランの合成と物性,結晶構造
8.2.1 ベンゾジフランの物性と有機ELへの応用
8.2.2 両極性ベンゾジフランとホモ接合型有機ELへの応用
8.2.3 2-PyBDF:特異な構造・物性を示す誘導体
8.3 拡張縮環フラン化合物
8.4 おわりに

9 N-混乱ポルフィリノイドが創出する新規π空間 (古田弘幸)
9.1 はじめに
9.2 N-混乱ポルフィリン
9.3 N-フューズポルフィリン
9.4 ネオ混乱コロール
9.5 N-混乱ヘキサフィリン
9.6 おわりに

10 ヘテロ元素を含む新奇ポルフィリンπ空間の創発と機能化 (俣野善博)
10.1 はじめに
10.2 メソ位へのリン・硫黄官能基の導入
10.3 リンと硫黄による核置換
10.4 窒素によるメソ置換


第3章 高次π空間を利用した革新的機能開発

1 「ねじれたπ空間」がもたらす基底および励起ラジカル種の特異な軌道相互作用 (狩野佑介、太田英輔、池田浩)
1.1 はじめに
1.2 「ねじれたπ空間」を有する六員環状1,4-ラジカルカチオン2•+の吸収特性と軌道相互作用
1.3 「ねじれたπ空間」を有する六員環状励起ビラジカル^{1}2••*の発光特性と軌道相互作用
1.4 おわりに

2 π軌道-金属軌道接合を有する高次π空間の界面電荷輸送特性の解明 (金原正幸)

3 人工細胞膜の自己組織化能を利用する高次集積π空間の構築とナノデバイス機能 (菊池純一、安原主馬、田原圭志朗)
3.1 はじめに
3.2 π集積空間構築のための人工細胞膜
3.3 メンブレントラフィックデバイス
3.4 分子情報変換デバイス
3.5 おわりに

4 側鎖置換基によるアセン分子の固体状態における光物性の制御 (北村千寿)
4.1 はじめに
4.2 アルキル置換テトラセンの固体色調
4.3 アルキル置換テトラセンの結晶構造解析
4.4 分子間相互作用の理論的解釈
4.5 おわりに

5 ナノ~マイクロスケールでのπ分子ワイヤーの電荷輸送特性評価 (佐伯昭紀、関修平)
5.1 はじめに
5.2 TRMC法による分子内電荷移動度測定
5.3 SCLC,FET法による電荷移動度測定
5.4 おわりに

6 ポルフィリン分子集合体と光エネルギー変換機能 (羽曾部卓)
6.1 はじめに
6.2 金属架橋を利用したポルフィリンナノ集合体の作製と構造制御
6.3 ドナー層とアクセプター層が層分離・共役した棒状ナノロッドの構築
6.4 その他の系
6.5 おわりに

7 人工光合成における高次π空間の構造と電子移動機能 (福住俊一)
7.1 はじめに
7.2 長寿命電子移動状態を有する光合成反応中心モデルπ分子の開発
7.3 おわりに

8 走査型トンネル顕微鏡による高次π空間系分子の精密電子物性計測と電子機能の発現 (真島豊)

9 有機薄膜太陽電池に用いる高機能フラーレンの設計と合成 (松尾豊)
9.1 はじめに
9.2 フラーレンのπ電子共役系の形
9.3 高いLUMO準位をもつフラーレン誘導体
9.4 低いLUMO準位をもつフラーレン誘導体
9.5 フラーレン誘導体の分子集合とドナー・アクセプター界面の精密構築
9.6 おわりに

10 自己組織的高次π空間形成を利用した高効率有機薄膜太陽電池 (村田英幸)
10.1 有機薄膜太陽電池の動作機構とモルフォロジー制御
10.2 ナノ界面構造を有する有機薄膜太陽電池

11 高純度単一電子構造単層カーボンナノチューブを用いた高次πナノ空間 (柳和宏)
11.1 はじめに
11.2 分子内包可能な単一カイラルSWCNTの精製法
11.3 高純度SWCNTネットワークにおける電気伝導特性,磁気的特性
11.4 高純度金属型SWCNT薄膜におけるエレクトロクロミック特性
11.5 高純度SWCNTの配列制御集合体の作製について
11.6 まとめ

12 規則配列したπ電子系結晶空間が示す協同的発光現象 (柳久雄、佐々木史雄、堀田収)
12.1 はじめに
12.2 TPCO結晶の発光増幅現象
12.3 TPCO単結晶のパルス型遅延発光
12.4 おわりに


第4章 生体π空間の制御機構解明と新機能開発

1 光合成反応中心における長距離電子移動の経路解析 (鬼頭-西岡宏任、安藤耕司)
1.1 はじめに
1.2 光合成反応中心における電子移動
1.3 巨大分子系の電子状態計算
1.4 電子移動経路解析
1.5 光合成反応中心への応用
1.6 おわりに

2 π電子豊富分子の生体内化学:クリック化学人工核酸 (磯部寛之、藤野智子)
2.1 はじめに
2.2 TLDNAの設計とデオキシリボヌクレオシド類縁体の合成
2.3 TLDNAの固相合成法
2.4 TLRNAの合成
2.5 TLDNAと天然DNAの二重らせん形成
2.6 末端修飾酵素がTLDNAを基質として認識する
2.7 おわりに

3 HOMOギャップ改変および柔軟化によるDNA分子ワイヤーの構築 (川井清彦)
3.1 はじめに
3.2 DNA内光電荷分離,DNA内の長距離ホール移動の観測
3.3 HOMOギャップ改変によるDNA内ホール移動の高速化
3.4 DNAの柔軟性がホール移動に与える影響
3.5 おわりに

4 分光学的手法による生体π空間の制御機構解明と新機能の開拓 (神取秀樹)
4.1 はじめに
4.2 レチナールタンパク質のπ空間制御:波長制御のメカニズム
4.3 レチナールタンパク質のπ空間制御:機能をもたらす構造変化
4.4 フラビンタンパク質のπ空間制御
4.5 新たな機能の開拓

5 生体π空間の制御機構の解明と新機能開発-ホタルルシフェラーゼによるπ空間制御機構 (寺角香菜子、中津亨)
5.1 ルシフェリン-ルシフェラーゼ反応とは
5.2 ルシフェラーゼ立体構造から明らかになった発光色制御メカニズム
5.3 オキシルシフェリンのスペクトル解析および量子化学計算による発光色制御メカニズム
5.4 ルシフェラーゼの水素結合ネットワークによる発光色制御メカニズム
5.5 今後の課題,展望

6 π系生体ナノ電極における光合成電子移動反応の分子制御機構 (野口巧)
6.1 光化学系Ⅱにおける光誘起水分解反応
6.2 フェオフィチン電子受容体の酸化還元電位制御
6.3 キノン電子受容体の酸化還元電位制御
6.4 おわりに

7 電荷分離状態を経由した励起エネルギー移動に対する計算手法の開発 (藤本和宏)
7.1 はじめに
7.2 TDFI法とTI法
7.3 エチレン二量体への応用計算
7.4 おわりに

8 四重鎖DNAのπ空間におけるヘムのπ電子系の制御と機能調節 (山本泰彦、太虎林)
8.1 はじめに
8.2 四重鎖DNAのπ空間
8.3 ヘム-DNA複合体の分光学的性質
8.4 ヘム-DNA複合体の機能
8.5 ヘム-DNA複合体におけるヘムとDNAの相互作用
8.6 おわりに
キーワード
高次π空間,フラーレン,ポルフィリン,書籍
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