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高分子材料・製品の長寿命化・安定化技術
The Stabilization and Long Life Cycling Technology of Polymeric Materials and Products

商品概要
個数

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略称
高分子長寿命化
商品No
bk7551
発刊日
2015年09月30日(水)
ISBN
978-4-7813-1087-9
体裁
B5判、256ページ
価格
74,800円 (本体価格:68,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
(株)シーエムシー出版
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:info@rdsc.co.jp 問い合わせフォーム
監修
西澤仁
著者
西澤仁 西澤技術研究所
中谷久之 長崎大学
西本右子 神奈川大学 
大木義路 早稲田大学 
大石不二夫 神奈川大学名誉教授
石川優 山形大学名誉教授
石川泰弘 元・横浜ゴム(株)
根岸由典 (株)ADEKA
古川睦久 ながさきポリウレタン技術研究所
大武義人 (一財)化学物質評価研究機構
伊藤幹彌 (公財)鉄道総合技術研究所
安田健 (地独)東京都立産業技術研究センター
伊藤政幸 早稲田大学
林和彦 (株)ADEKA
藤岡博明 (株)ケミトックス
足立廣正 名古屋市工業研究所
須賀茂雄 スガ試験機(株) 
福崎太郎 ダウ・ケミカル日本(株)
小澤秀樹 ダウ・ケミカル日本(株) 
金山明弘 PSジャパン(株) 
木村智 塩ビ工業・環境協会
金山聡 三菱エンジニアリングプラスチックス(株) 
山口幸一 関西ゴム技術研修所 
発刊にあたって
高分子材料および応用製品の発展は、20世紀の画期的な技術の進歩として注目され、今後の発展もさらに期待されている。これは、高分子材料の優れた性能、優れた加工性と耐久性が現在の発展を支えてきた要因となっていることは疑う余地もない。しかしながら今後の資源問題、地球環境問題等を考えると、さらなる性能向上、耐久性の向上による長寿命化は一つの大きな課題と言ってよいだろう。

今回、この課題への一つの挑戦として、各分野の第一線で活躍されている専門の方々にお願いして、高分子材料の劣化、寿命評価技術、材料の安定化技術、製品性能から見た長寿命化、成形加工面から見た安定化と耐久性の向上、環境安全面から見た制約および最近の高分子材料の技術動向等、読者の皆様の関心が高いであろういくつかの側面から考察することを試みた。

あらゆる側面を完全に網羅することはできていないが、少しでも読者の皆様のお役にたつことを願い、また今後の高分子材料および応用製品のさらなる発展の一助になれば幸いである。

西澤技術研究所 西澤 仁

(本書「刊行にあたって」より)
書籍の内容
第1章 高分子材料の劣化機構と評価技術  (中谷久之)
1 高分子材料の劣化機構と安定化
1.1 高分子の劣化
1.1.1 自動酸化劣化
1.1.2 加水分解
1.1.3 キノン生成および転位反応
1.2 劣化の評価・測定方法
1.3 安定化

2 耐水、耐加水分解性と安定化  (西本右子)
2.1 高分子の水による劣化
2.2 高分子の加水分解
2.3 高分子材料や製品における加水分解に影響する因子と劣化の分析
2.4 耐水性試験と耐候性試験における水の影響
2.5 超臨界水・亜臨界水・熱水を用いた加水分解
2.6 高分子中の水
2.7 水・湿度の関係した劣化を防ぐには
2.8 高分子の加水分解の原因究明とその対策


3 絶縁劣化機構とその対策   (大木義路)
3.1 絶縁劣化とは
3.2 電圧印加によって引き起こされる絶縁劣化
3.2.1 部分放電劣化
3.2.2 トラッキング
3.2.3 エレクトロケミカルマイグレーション(イオンマイグレーション)
3.2.4 トリーイング(電気トリー)
3.2.5 水トリー
3.3 電圧印加が直接の原因ではない絶縁劣化
3.3.1 耐熱性と熱劣化
3.3.2 放射線劣化
3.3.3 劣化加速試験の問題点
3.4 新しい絶縁劣化の診断法
3.4.1 高分子の酸化の検出
3.4.2 PE中の水トリーの検出
3.5 絶縁劣化および絶縁破壊の防止対策


第2章 高分子材料の劣化と寿命評価
1 複合劣化と寿命予測   (大石不二夫)
1.1 はじめに
1.2 耐久性への3つのアプローチ
1.2.1 「劣化解析」の定義
1.2.2 「耐久性評価」の定義
1.2.3 「寿命予測」の定義
1.2.4 「寿命予測」の要点
1.3 高分子材料の耐久性に関する 筆者らの研究
1.4 劣化解析・耐久性評価・寿命予測の急所
1.4.1 劣化解析の急所
1.4.2 耐久性評価の急所
1.4.3 寿命予測の急所
1.5 複合劣化
1.5.1 ウェザリングと耐候性
1.5.2 環境・応力劣化と耐環境・応力性
1.6 寿命予測にはどんなタイプがあるか

2 熱劣化機構と寿命評価  (西澤仁)
2.1 熱劣化機構
2.2 熱劣化機構から見た長寿命化技術
2.3 耐熱寿命の推定

第3章 高分子材料の破壊機構と特性向上
1 樹脂の破壊機構と特性向上  (石川優)
1.1 高分子材料の破壊機構
1.2 破壊特性の向上

2 ゴム、エラストマーの破壊機構と特性向上  (石川泰弘)
2.1 破壊機構
2.1.1 老化による引張応力の変化(Ahagonの理論)
2.1.2 架橋とゴムの伸び
2.2 応用展開
2.2.1 市場評価
2.2.2 インナーライナーによる酸素遮断効果
2.3 破壊加速試験について
2.4 まとめ



第4章 添加剤による樹脂の化学的安定化と実際  (根岸由典)
1 はじめに
2 劣化と添加剤の役割
2.1 劣化と自動酸化
2.2 自動酸化と添加剤
3 添加剤の種類と機構
3.1 ラジカル連鎖開始阻止剤
3.1.1 金属不活性化剤
3.1.2 紫外線吸収剤(UVA)
3.1.3 クエンチャー
3.2 ラジカル捕捉剤
3.2.1 フェノール系酸化防止剤
3.2.2 ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)
3.2.3 アミン系酸化防止剤
3.3 過酸化物分解剤
3.3.1 リン系酸化防止剤
3.3.2 硫黄系酸化防止剤
4 実際の安定化-相互作用と拮抗作用-
4.1 熱曝露下での安定化
4.1.1 成形加工時の安定化
4.1.2 高温使用下での安定化
4.2 光暴露下での安定化
4.2.1 UVAの効果
4.2.2 HALSとUVAの効果
4.3 フィラーや顔料の影響
4.4 外部環境の影響
5 まとめ


第5章 製品別長寿命化、安定化技術
1 製品の劣化事例と安定化技術  (古川睦久 / 大武義人)
1. 1 はじめに
1. 2 酸化劣化:食品包装材料から異味・異臭
1. 3 酸化劣化:エチレン-プロピレン共重合体成形品の変色
1. 4 酸化劣化・銅害:ポリエチレン製大型タンクのクラック発生
1. 5 化学的劣化:加水分解 ポリカーボネート製アンカーボルトの破断
1. 6 化学的劣化:加水分解 エステル系ポリウレタン製スキー靴の破壊
1. 7 機械的劣化:脆性破壊 エーテル系ポリウレタン製登山靴の疲労劣化
1. 8 複合劣化:ソルベントクラック PMMA成形品のクラック発生
1. 9 おわりに


2 鉄道車両  (伊藤幹彌) 
2.1 鉄道に使用される高分子材料
2.2 実際の検討例
2.2.1 ゴムホース
2.2.2 PVC(ポリ塩化ビニル)の劣化解析および床材リサイクル品の性能評価
2.2.3 車両用樹脂製窓ガラスの劣化評価と長寿命化
2.3 おわりに

3 建築分野における長寿命化技術-免震積層ゴム、粘弾性制震ダンパー  (西澤仁)
3.1 はじめに
3.2 免震アイソレーター及び制震ダンパーの基本技術と長寿命化
3.2.1 免震アイソレーターの基本技術と長寿命化
3.2.2 免震アイソレーターの材料設計、接着、製造技術面からの長寿命化技術
3.2.3 粘弾性制震ダンパーの基本技術と長寿命化

第6章 高分子物性と長寿命化技術  
1 プラスチック材料の耐衝撃性   (安田健)
1.1 はじめに
1.2 材料と試験片
1.3 試験方法
1.4 結果と考察
1.4.1 ポリプロピレンの特性
1.4.2 アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン供重合体(ABS)の特性
1.4.3 ポリカーボネートの特性
1.4.4 衝撃試験後の破断面の観察
1.5 おわりに

2 難燃性  (西澤仁)
2.1 難燃化技術の重要性
2.2 難燃材料及び製品の長寿命化技術
2.2.1 開発段階での高難燃材料の開発
2.2.2 耐久性に優れた長寿命化難燃材料の開発
2.3 長寿命化難燃材料の材料設計と加工技術(まとめ)


3 耐熱性と耐放射線性  (伊藤政幸)
3.1 緒言
3.2 耐熱性と耐放射線性との相関性
3.2.1 プラスチックス
3.2.2 エラストマー
3.2.3 放射線劣化の温度依存性
3.2.4 熱劣化と放射線劣化の相乗効果
3.2.5 放射線の照射による耐熱性の変化
3.2.6 耐熱性と耐放射線性についての今後の展開


4 疲労劣化特性(ゴム) (石川泰弘)
4.1 亀裂伝播の理論
4.2 耐久性とクラック成長
4.3 動的負荷による現象解析
4.4 カーボンの高次構造の影響 
4.5 まとめ


第7章 成型加工での長寿命化と安定化技術  (西澤仁)
1 成型加工における長寿命化技術
2 長寿命化に影響する押出成形、射出成形での発生トラブル
2.1 成形品の成型加工条件(圧力、温度)と不良発生との関係
2.2 ボイド
2.3 ウエルドライン(融着線)
2.4 ゲル化、ヤケ
2.5 配向

第8章 添加剤選択と環境安全性、法規制  (林和彦)
1 添加剤の法規制
1.1 はじめに
1.2 日本の法規制
1.2.1 安衛法
1.2.2 化審法
1.3 世界各地域の化学品法規制
1.3.1 米国
1.3.2 欧州
1.3.3 その他
1.4 食品容器用途の法規制
1.4.1 日本の食品用途における法規制
1.4.2 海外の食品用途における法規制
1.5 環境問題と法規制
1.5.1 化管法
1.5.2 製品含有化学物質の管理
1.6 おわりに


第9章 耐熱性、耐候性、試験機評価技術の進歩    
1 難燃性、長期耐熱性評価技術の進歩  (藤岡博明)
1.1 はじめに
1.2 難燃性評価技術に関する新たな動向
1.2.1 IEC規格における5V燃焼試験の試験方法改善に関する標準化活動
1.2.2 鉄道車両等、インフラ産業における難燃性評価技術
1.2.3 Microcombustion Calorimeter(MCC)試験
1.3 耐熱性評価技術に関する新たな動向
1.3.1 UL 746B耐熱評価(RTI)と、2000時間簡略エージングプログラム
1.3.2 熱分析を用いた活性化エネルギー算出方法の検討
1.4 おわりに

2 動的粘弾性測定による耐熱性の評価  (足立廣正)
2.1 はじめに
2.2 動的粘弾性測定と弾性率、耐熱性
2.3 試料と実験方法
2.4 ホース、チューブと時間変化
2.5 エラストマーと時間変化
2.6 まとめ

3 促進耐候性試験機、評価技術の進歩   (須賀茂雄)
3.1 はじめに
3.2 高促進を目的としたキセノンアークランプ式促進耐候性試験
3.3 超促進を目的としたメタルハライドランプ式促進耐候性試験
3.4 超促進耐候性試験の有効性と注意点
3.5 分光老化試験
3.6 おわりに

第10章 熱可塑性樹脂、ゴム、エラストマーの最新動向   
1 ポリエチレン  (福崎太郎 / 小澤秀樹)
1.1 はじめに
1.2 概要(日本の業界&市場動向)
1.3 技術動向
1.4 環境対策・安全問題への対応
1.5 用途展開
1.6 おわりに

2 ポリスチレン  (金山明弘)
2.1 はじめに
2.2 ポリマーのそのものの長寿命化・安定化
2.2.1 ポリスチレンの弱い構造
2.2.2 安定剤の配合による長寿命化
2.3 LCAの観点での長寿命化
2.3.1 家電リサイクルに於けるポリスチレン
2.3.2 容器包装リサイクルに於けるポリスチレン
2.4 材料、成形品の機能および性能の長寿命化
2.5 システムとしての長寿命化
2.6 ポリスチレン系樹脂の自己修復

3 塩化ビニル樹脂(PVC)  (木村智)
3.1 はじめに
3.2 塩ビの環境性能
3.2.1 省資源
3.2.2 長寿命
3.2.3 リサイクル性能
3.3 塩ビの需要動向
3.3.1 生産能力
3.3.2 世界の塩ビ需要動向
3.3.3 需給バランス
3.3.4 用途別需要
3.3.5 国内の塩ビ需要
3.4 最近の技術・製品動向
3.4.1 樹脂サッシ
3.4.2 塩ビ管・継手などでも新技術
3.5 環境対策・安全問題への対応
3.5.1 塩化ビニルモノマー
3.5.2 ダイオキシン問題
3.5.3 フタル酸系可塑剤の規制動向
3.6 今後の展望

4 PC樹脂の長寿命化・安定化技術  (金山聡)
4.1 はじめに
4.2 PC樹脂の歴史と技術動向
4.3 PC樹脂の劣化と対策
4.4 MEPにおけるPC樹脂の安定化技術・長寿命化技術
4.4.1 電気・電子・OA分野
4.4.2 自動車ランプレンズ用途
4.4.3 筐体用途
4.4.4 アミューズ・雑貨用途
4.4.5 医療用途
4.5 今後の技術開発に関して

5 ゴム・エラストマー  (山口幸一)
5.1 はじめに
5.2 天然ゴム
5.3 合成ゴム
5.3.1 スチレン・ブタジエンゴム(SBR)
5.3.2 ブタジエンゴム(BR)
5.3.3 イソプレンゴム(IR)
5.3.4 ブチルゴム(IIR)
5.3.5 エチレン・プロピレンゴム(EPDM)
5.3.6 アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)
5.3.7 水素化ニトリルゴム(HNBR)
5.3.8 クロロプレンゴム(CR)
5.3.9 アクリルゴム(ACM)
5.3.10 シリコーンゴム(Q)
5.3.11 フッ素ゴム(FKM)
5.4 おわりに

 
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