2014年10月23日(木)
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技術経営、つまり技術をマネージメントする目的は、技術を如何に経営に生かしていくかである。すなわち技術戦略の策定などにより、技術が経営計画や事業計画を担保するための方策を見出すということである。
そのためには研究開発テーマの選択・評価が非常に重要である。一度選択された研究開発テーマは、毎年研究開発費の投入を余儀なくされる。昨今のように経済状況、技術の進展、技術領域の拡大など環境の変化が劇的に起こる状況では、定期的に研究開発テーマの見直しが必要とされる。しかし、材料系の研究開発などのように、研究開発期間が10年以上掛かる場合には、長期的な研究開発が必要である。研究開発費の短期・中期・長期の投入バランスが大きな課題である。
研究開発テーマの中止・撤退(Go/No Go)判断は、そのテーマの評価により判断されるが、その評価は非常に難しく、かつ、そのテーマの評価方法には適切な方法が検討されてきている。その評価法の一つとして、技術ポートフォリオがある。
技術ポートフォリオは、技術評価の見える化として重要であり、技術出身及び文科系出身の経営層が技術経営という視点での研究開発テーマの選択/撤退/中止(Go/No Go)の検討に参加することができる。
本講演では、技術テーマ評価、特に、技術ポートフォリオを基にした研究開発テーマの中止/撤退(Go/No Go)を見極めるポイントについて説明する。
1.「研究開発とは」
1-1 課題認識と貢献の構造
研究開発の構造を示し、課題認識との関係性を明らかにする。
1-2 研究開発の評価
研究開発の評価を構造化して、関係性を示す。
1-3 フェーズ管理
フェーズ管理の概念を理解する。
1-4 技術の生産性指標
一般的な生産性指標について概説し、研究技術の生産性指標の事例を提示する。
1-5 一般的な現状分析手法
1-6 フェーズ管理とフェーズ毎のテーマ数及びR&D資源投入量
2.「研究開発テーマの策定・評価」
2-1 顧客提供価値
2-1-1 顧客要求から顧客感動へ
顧客要求から顧客の感動を与える価値づくりの概念を提示する。
2-1-2 技術優位性から技術突出性へ
技術の顧客提供価値への貢献を提示する。
2-1-3 顧客提供価値の考え方
顧客価値と技術の関係を構造化して示す。
2-2 技術テーマ企画書
研究開発テーマ企画書の適応フェーズと事例を示す。
2-3 技術適応領域とテーマ評価例
研究領域の区分を示し、その区分に沿ったテーマ評価例を概説する。
2-4 技術ロードマップ
研究領域の区分に沿った技術ロードマップの例を概説する。
2-5 技術テーマの見直し
テーマ評価による修正法やそのタイミングなどについて解説する。
3.「研究開発テーマ/プロジェクトの費用対効果による評価」
3-1 研究開発での収益と費用の考え方
研究開発での収益と費用の考え方の一例を説明する。
3-2 研究開発の売上への貢献度の算出
研究開発の売上への貢献度の算出例を説明する。
3-3 技術の生産性指標を用いた費用対効果
技術の生産性指標による収益と費用の測定例を解説する。
3-4 研究開発の各フェーズの費用算出
各フェーズでの費用の算出例を解説する
4.「技術評価の基となる技術体系と技術ポートフォリオ」
4-1 「技術体系」
技術体系構築の考え方、構築のキーポイント、事例を示す。
4-1-1 技術体系の構築の概要
4-1-2 技術体系の構築の実際
4-2 「技術ポートフォリオ」
技術ポートフォリオの様々な例を提示する。
4-2-1 技術ポートフォリオの種類
4-2-2 自社に必要な技術ポートフォリオ
4-3 「技術ポートフォリオの分析」
技術のポートフォリオ分析・有望性の見極め方とその事例を概説する。
4-3-1 技術ポートフォリオ分析方法とその視点
4-3-2 技術テーマの分析(経営的、技術的視点)
4-3-3 有望性の見極め方
4-4 「技術体系をベースにした技術ポートフォリオ分析」
技術体系とポートフォリオの関係性と必要性を概説する。
4-5 「技術ポートフォリオの課題/限界」
ポートフォリオの今後の進め方を提示する。
4-6 「技術ポートフォリオの作成の演習」
4-7 「技術の生産性評価の演習」
【質疑応答・名刺交換】