2021年03月16日(火)
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スパッタリング法は、工業的に広く使われている薄膜作製法である。スパッタリング法の特徴として、基板温度を上げることなく、物性に優れた薄膜が得られるということが挙げられる。これは、スパッタリング法においてターゲットから発生した粒子が大きなエネルギーを持つがゆえである。
しかしながら、同時にこのスパッタ粒子の大きなエネルギーが異物の発生を引き起こしたり、薄膜に大きな応力を残留させたりするという短所をも生じさせることになる。応力の残留と、それにともなう付着力の低下はプロセスやデバイスの信頼性を保証する上での大きな問題であり、スパッタリング生産において必ず遭遇する問題であるともいえる。
本講演では、スパッタリング法の技術基盤を学んでいくことにより、生産あるいは技術開発の現場において遭遇するいろいろなトラブルに対応する力を身につけていくことを目標とし、スパッタリングプロセスの特徴とスパッタリングプロセスにより得られる薄膜物性の特徴を解説する。生産あるいは技術開発の現場で活躍するエンジニアに必須の講義である。
1.スパッタリング法の基礎
1-1.スパッタリングとは
1-2.スパッタリング率とスパッタリング粒子の持つエネルギー・サーマライゼーション
1-3.スパッタリング法により堆積された薄膜構造の特徴
1-3-1.スパッタリングされた粒子の持つエネルギーの膜構造への影響
1-3-2.基板温度・放電圧力の膜構造への影響
1-3-3.スパッタリング法の非平衡性とその薄膜物性への影響
2.各種スパッタリング法
2-1.直流スパッタリング法
2-2.高周波スパッタリング法
2-3.イオンビームスパッタリング法
2-4.反応性スパッタリング法
2-4-1.反応性スパッタリング法と非反応性スパッタリング法
2-4-2.化合物モードと金属モード
2-4-3.化合物薄膜堆積における薄膜堆積速度の向上
2-4-4.化合物薄膜堆積における負イオンの影響
3.弱点を克服したスパッタリング法
3-1.パルススパッタリング法とACスパッタリング法
3-2.ハイパワーパルススパッタリング法
3-3.イオン化スパッタリング法
3-4.分離スパッタリング法
4.薄膜における内部応力
4-1.内部応力とは
4-2.内部応力の種類と発生機構
4-3.内部応力の評価方法
4-4.薄膜の構造と内部応力
4-5.内部応力評価の実例
4-6.応力の抑制方法
5.薄膜の付着力とは
5-1.付着のメカニズム
5-2.付着力と応力-力がかからなければ薄膜ははがれない-
5-3.付着力の評価方法
5-4.付着力評価の例
5-5.付着力の向上手法
5-6.基板硬さと付着力の関係
6.スパッタリングプロセスのさらなる安定化を目指して
6-1.チャンバー内の状態がプラズマの安定性に与える影響
6-2.チャンバー内の状態が薄膜物性に与える影響
6-3.ターゲットの状態がプラズマおよび薄膜物性に与える影響
6-4.パッシブ制御から予知制御へ
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以下の内容は配付資料に掲載します。
・基盤技術(講義では触れません。資料のみ配付します)
1.真空の基礎
2.プロセスプラズマの基礎
3.薄膜成長機構の基礎
・スパッタリングターゲット(講義では触れません。資料のみ配付します)
1.スパッタリングターゲットの役割
2.スパッタリングターゲットに求められる品質
3.ターゲット品質の薄膜物性および再現性への影響
4.ターゲット組成と薄膜組成
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