~乗り心地・座り心地を向上させる椅子・シート設計技術と官能評価法~
2/9 会場が変更になりました
変更前:東京・品川区大井町 きゅりあん 5F 第1講習室
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変更後:東京・大田区蒲田 大田区産業プラザ(PiO) 1F A+B会議室
シートに腰かける姿勢は、無理のある人体に相応しい姿勢ではない。如何に機能的なシートであっても、
着座時間の限界は、2時間30分程度である。そこで、シート設計の基礎として人間工学の視点からこれまでの
着座調査・実験結果をもとにシートの在り方を概説する。
1.人間工学の意味
2.生活姿勢と身体負担
3.座姿勢と身体構造
4.椅子のプロトタイプ 寸法・角度
5.クッションの三層構造
6.クッション材と姿勢保持
7.シートの評価法
8.シートに具備すべき条件
9.いす・シートへの苦言
10.座育のすゝめ
11.その他
□ 質疑応答 □
[ 得られる知識・技術 ]
シートの人間工学を身につけるには、日常生活における着座姿勢について観ることがスタートとなる。
この観方を会得するための知識を概説する。
我々は、自動車乗車時など日々全身振動に暴露している。また、職業ドライバーや重機オペレータといった労働者は、
長時間あるいは大きな振動に暴露している。全身振動暴露は腰痛など健康面への影響や、乗り心地など快適性に影響
していると考えられるが、その影響は必ずしも明らかではない。そこで、着座人体への全身振動暴露の影響を明らかに
することを目的に研究を行っている。
全身振動の人体影響を考えるとき、最も基本として人体の振動特性(動特性)がある。
この動特性を実験的に把握し、表現可能な人体モデルを構築している。更に、主要な人体への振動入力源はシートである
ため、乗り心地などの快適性評価においては人体とシートの連成した動特性が重要と考えられ、人体−シート連成系の動
特性を把握する実験を行い、そのモデル化を行っている。
本講では、これらの研究をもとに着座人体全身振動暴露の影響について解説する。
1.機械設計における人体振動特性の必要性
2.人体振動の基本特性(振動伝達率と動質量)
3.人体振動の計測方法
4.人体モデルの構築事例
5.人体振動に関するISO規格(振動評価指標)
6.人体-シート連成系の動特性
7.人体の振動特性を考慮したシート設計に向けて
□ 質疑応答 □
[ 得られる知識・技術 ]
着座人体への全身振動暴露の影響
最近、感性品質(心地)がさまざまな製品の魅力に大きな影響を与えています。特に、自動車シートには自動車のコンセプトに合った感性品質である快適性(座り心地)を実現することが望まれています。そこで、触知覚に基づいて評価される自動車シートの「座り心地」をどのような官能検査手法を用いて、実験・評価・解析を行ったらよいかについて解説します。また、人間快適工学を用いて商品化された感性製品の事例(パッドが自動車シートの「座り心地」に及ぼす影響、パッドの物理特性と「座り心地」との関係)を紹介します。
1.人間の触知覚機能について
2.人間快適工学とは
3.自動車シートの「座り心地」官能検査方法(具体例に基づいて)
3.1 官能検査とは
3.2 官能検査を行う前の準備(被験者,試技,評価形容語)について
3.3 被験者の判定能力の検定について
3.4 一対比較法による官能検査について
3.5 SD法による官能検査について
4.自動車シートの「座り心地」の評価・実際例
4.1 パッドが異なるシートの「座り心地」を数値化するには
4.2 「座り心地」に関連する表皮布やパッドの物理特性の計測・評価法について
□ 質疑応答 □
[ 得られる知識・技術 ]
自動車シートの「座り心地」を評価するには、どのような官能検査手法を用いたらよいかを習得。
官能検査で求めた「座り心地」の結果を数値化して評価・解析する方法を習得。
人間快適工学を用いてパッドが異なる自動車シートの「座り心地」を評価した事例。