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繊維強化プラスチックはシンプルに言えば軽くて強い次世代材料である.中でも炭素繊維強化プラスチックは比強度・比剛性,耐疲労,耐クリープ,耐環境などに非常に優れ,航空宇宙分野を中心に適用先が大きく広がっている.現在では自動車への適用もさかんに取り組まれている.繊維強化プラスチックは基本的には強化繊維,マトリクス樹脂から構成されるが,その破壊挙動は強化繊維・マトリクス樹脂の破壊挙動のみからは正しく予測できない.繊維と樹脂の接着面の力学的特性が全体の破壊挙動に大きく寄与するためである.まずこの繊維と樹脂の接着面,いわゆる界面の強度が全体強度に与えるインパクトとこれまでの界面強度評価のトライアルを紹介し,しかる後に独自の方法を用いて界面の力学的特性を求め,その温度・時間依存性を議論した結果を紹介する.
習得できる知識として,それぞれのニーズにあった複合材料の開発指針を立てられるようになる.
1.はじめに
(1)マイクロメカニクスの重要性
(2)コンテンツ
2.複合材料の界面強度測定法
(1)単繊維モデル複合材料を用いた評価
(2)汎用複合材料を用いた評価
3.複合材料界面強度の温度・時間依存性
(1)試験方法
(2)クリティカルポイント応力
(3)粘弾性ユニットセル解析
(4)界面強度の時間依存性
(5)界面強度の温度依存性
(6)単繊維モデル複合材料を用いた場合
4.複合材料の強度発現機構
(1)SFFモデル概要
(2)SFFモデル適用例
(3)界面強度・樹脂強度と複合材強度の関係
5.高温加速試験の妥当性
(1)温度時間換算則
(2)界面強度の時間・温度依存性定義
(3)複合材強度の時間・温度依存性
6.有孔試験片強度の長期信頼性
(1)有孔引張強度
(2)画像相関法による内部損傷同定
(3)時間依存結合力要素を用いたシミュレーション
7.その他
8.終わりに
【質疑応答・名刺交換】