2015年05月29日(金)
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製薬企業において医薬ライセンシングの重要性がますます増大していますが、今でも導入候補化合物の評価を一部の目利きに委ねているところが多いように思います。しかし、導入化合物の開発の成否や将来の市場性などを適切に予測するには少数の目利きでは限界があり、包括的で客観的な評価・分析を行うためには製薬企業のすべての専門部門が参加することが不可欠になってきています。
ここでは、国内外の大手製薬企業で行われている“公開情報による導入候補化合物の探索”と“秘密情報入手後の再評価”について概説し、“導入決定のための最終評価となるデューデリジェンス”についてその方法や報告のまとめ方などを紹介します。さらに、化合物評価やデューデリジェンスの限界とそのリスクヘッジについても議論したいと思います。
1. 医薬品ライセンシング増加の背景
1-1 自社研究開発型製薬企業の限界
1-2 提携型研究開発型製薬企業の大型化とOTC/ジェネリック専門製薬企業への転向
2.医薬ライセンシングのための化合物評価
2-1 導入候補化合物の探索と選定
2-1-1 ポートフォリオ分析とターゲットプロダクトプロファイルの決定
2-1-2 公開情報の収集
2-1-3 比較評価の仕方
2-1-4 導入候補化合物の課題の抽出
2-2 秘密情報による再評価
2-2-1 自社ノウハウの保護
2-2-2 追加化合物情報による導入候補化合物の再評価
2-2-3 導入候補化合物の価値評価
3.導入候補化合物に関する重要事項の抽出とデューデリジェンス
3-1 デューデリジェンスとは
3-2 導入候補化合物に関する重要事項の抽出
3-3 デューデリジェンスのプロセス
3-3-1 デューデリジェンスの流れ
3-3-2 デューデリジェンスのタイミング
3-3-3 デューデリジェンスの対象データと担当部門
3-3-4 各担当部門の準備作業
(1)デューデリジェンス項目の抽出
(2)対象データのリストアップ
3-3-5 ライセンス部門による事前ミーティング
(1)具体的な手順の確認
(2)相手側担当部門と担当者の確認
(3)データリクエストリストの確認
3-3-6 数値化による評価
(1)デューデリジェンス項目の優位点とリスクの分析
(2)担当部門別総合分析
3-3-7 ライセンス部門による事後ミーティング
(1)各担当部門のデューデリジェンス報告の検討
(2)総合報告の作成
3-4 デューデリジェンス例
3-4-1 開発初期化合物の場合
3-4-2 開発後期化合物の場合
3-5 デューデリジェンスを通じて信頼関係を構築することの重要性
4.化合物評価の限界とリスクヘッジ
4-1 化合物情報の限界
4-2 リスクヘッジの必要性
4-3 オプション契約によるリスクヘッジ
4-4 オプション契約の実例