2024年11月13日(水)
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・レアメタル元素を用いた素材・部品・最終製品を開発する研究者
・製造・販売・取引する民間企業の担当者
・レアメタルの主要元素の市場動向や、今後の社会・経済情勢に基づいた注目元素の動向。
・レアメタル全般の概要・歴史や、経済産業省など所管官庁によるレアメタル関連の経済政策
レアメタルは、自動車や電子機器、通信機器などあらゆる製品に不可欠の元素を示し、なじみのない金属元素の総称として最も一般化した言葉だ。だが、明確な定義がないことから、科学者のほとんどを困惑させてきた。レアメタルという言葉を日本に持ち込んだアルム出版社がレアメタルの概要と歴史を解説する。
経済産業省(当時の通商産業省)のレアメタル政策は、石油ショックを経た日本の経済安全保障であるほか、さまざまな材料業界の要望に応じ47元素を選抜して行った共同プロモーション「レアメタル47」と呼べるものだ。プロデューサーがまだ売れていない芸能人の卵たちを集め、共通のアイドル活動を通じ、馴染みのあるグループ名を肩書きとして売れる芸能人をめざす坂道グループのプロモーション活動に極めて似ている。経済産業省は政策プロデューサーとして「レアメタル」という言葉を普及させた一方、卒業できた元素はなく、いくかの元素が新たに加わり、47以上の元素が「レアメタル47」として残っている。
今後のレアメタルは、カーボンニュートラルの実現する元素が注目を集めるほか、ウクライナ戦争で新冷戦に移行する中、西側諸国で重要度を増す日本の立ち位置を語る。注目のレアメタルとして、車載LIB(リチウムイオン電池)、電動化、半導体、電子・電池、航空機・軽金属、工具、鉄鋼、触媒、セラミックスと9つの分野について解説する。
1 レアメタルの概要
1.1 レアメタルとは何なのか
1.2 マイナー元素がレアメタルにとどまる理由
2 レアメタルの歴史
2.1 アルム出版社によるレアメタルという言葉の輸入(1950年代〜1970年代半ば)
2.2 経済産業省のレアメタル政策(1970年代半ば〜1990年代初め)
2.3 冷戦崩壊とグローバル経済(1990年代初め〜2010年代)
2.4 カーボンニュートラル対応と新冷戦(2010年代〜)
3 注目のレアメタル分野
3.1 車載LIB材料 リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)
3.2 電動化材料 レアアース(RE)、シリコン(Si)、アンチモン(Sb)
3.3 半導体材料 半導体シリコン(Si)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)
3.4 電子・電池材料
タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ゲルマニウム(Ge)、ベリリウム(Be)、
酸化チタン(TiO₂)、ジルコニア(ZrO₂)、電解二酸化マンガン(MnO₂)、
インジウム(In)、カドミウム(Cd)、ビスマス(Bi)、セレン(Se)、
テルル (Te)、ニッケル(Ni)
3.5 航空機・軽金属材料
チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、タンタル(Ta)、
マグネシウム(Mg)、金属シリコン(Si)
3.6 工具材料
タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、
タンタル(Ta)
3.7 鉄鋼材料
モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、ニッケル (Ni)、
クロム(Cr)、マンガン(Mn) 、シリコン(Si)
3.8 触媒材料 白金族金属(PGMs)、金(Au)、銀(Ag)
3.9 セラミックス材料 ジルコニア(ZrO₂)、酸化チタン(TiO₂)