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最近、ゲノム編集されたトマトの商品化が検討され、これに伴い、ゲノム編集技術応用食品の表示や流通の議論について報道されている。このことから、ゲノム編集技術は革新的な分子育種方法であると共に、流通しうる品種開発に直接つながる技術でもあることが容易に理解できる。ゲノム編集技術は微生物、動物、そして植物まで対象とする生物を選ばない技術である。しかし、植物に応用する場合には、ゲノム編集を行うために必要となる他の技術、特に遺伝子組換え技術と組織培養技術、を考慮しなければならない。本セミナーでは、ゲノム編集の基礎から、植物に応用する場合の問題点について解説する。
2016年10月に開始したNEDOプロジェクト「植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発」では、発表者が参画するゲノム編集を課題とする研究グループがあり、植物を対象とした日本発のゲノム編集技術の開発に取り組んでいる。この研究グループの特徴は、ゲノム編集装置の機能ごと(例えば、DNA結合モジュールなど)に開発を行っている点にある。一般的なゲノム編集の話題に加えて、発表者らが開発している最新のゲノム編集技術についても紹介したい。