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粒子分散系は、導電剤、電池、セラミックス、機能性コーティング、塗料、インキ、など様々な分野で利用されているが、「ポテポテで流動性が無い。」、「うまく塗れない。」、「時間が経つと凝集したり、粘度が増加したりする。」、「粒子そのものは小さいはずだが、スラリー中でなかなか小さくできない。」などの問題に直面するケースが多い。
本講座では、上記の諸問題を解決するために必要となる、粒子を分散安定化するための基本的な考え方、粒子と分散剤(高分子)と溶剤の最適な組み合わせ方、親和性を定量的に考えるための評価尺度、分散剤の作用機構・最近の開発動向と配合量の決め方、分散機の種類と最近の開発動向などを平易に解説する。
1.粒子分散の基本的な考え方
1.1 粒子分散とは一次粒子の凝集体(二次粒子)を解凝集する工程である。
1.2 粒子分散の単位過程 ~ぬれ、機械的解砕、分散安定化~
1.3 主要成分(粒子、分散剤や樹脂、溶剤)の親和性はどうあるべきか
1.4 粒子の分散状態や分散安定性と粒子分散系の性質
1.4.1 流動性 〜フロキュレーションとレオロジー〜
1.4.2 光学的性質
1.4.3 異種粒子を混合したときに生じる問題
1.5 粒子分散の評価法
2.分散プロセス概論
2.1 分散機の種類と特徴
2.1.1 高粘度用分散機
2.1.2 低粘度用分散機
2.2 バッチ分散、パス分散と循環分散
2.3 ナノサイズ分散
2.3.1 ナノサイズ分散機の特徴
2.3.2 異種分散方式の組み合わせ
2.4 過分散 ~異常粘度や粒子物性の変化~
3.溶剤系における粒子分散の実際
3.1 溶剤、粒子の表面張力とぬれ性 ~だから溶剤系はぬれを意識しなくてもよい~
3.2 粒子、分散剤や樹脂の酸塩基性の評価法
3.2.1 非水電位差滴定法
3.2.2 等電点と等酸点
3.3 バインダー樹脂で分散する ~酸塩基変性による分散用樹脂の調製~
3.4 溶剤選択
3.4.1 溶解性パラメーター
3.4.2 溶剤や樹脂のルイス酸塩基性度 ~Gutmannのドニシティとアクセプターナンバー~
4.水性系における粒子分散の実際
4.1 水の溶剤としての特異性
4.2 水性系での疎水性粉体の分散ではぬれのプロセスが重要
4.2.1 粒子の親水‐疎水性度とぬれ
4.2.2 粒子の乾燥凝集状態とぬれ ~ガス吸着を用いた凝集隙間の評価~
4.3 水性系における安定化の考え方と事例
4.3.1 DLVO理論のエッセンスと実用分散系に適用する際のチェック項目
4.3.2 疎水性相互作用による樹脂吸着
4.4 ぬれと安定化を両立する粒子表面の最適親水性度
4.5 共存有機溶剤の影響
5.分散剤の活用
5.1 分散剤の分子構造 ~アンカー部と溶媒和部~
5.2 分散剤の評価とマッピング
5.3 最近の高分子量顔料分散剤の開発動向 ~精密重合法を活用した分散剤~
5.4 分散配合、分散剤配合量の決め方
□ 質疑応答 □