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■第1部 苦味のメカニズムと抑制技術 (1.5時間))
1.苦味を感じるしくみ
① 苦味とは
② 苦味物質の種類と性質
③ 苦味受容メカニズム
2.苦味抑制技術
① 日常生活での苦味低減現象
② 物理的手段による苦味抑制技術
③ 化学的手段による苦味抑制技術
概要:
苦味は毒物のシグナルとして生得的に忌避される味覚であり、ヒトは25種類の遺伝子を動員してあらゆる構造の苦味物質を検出し生命を危険から守っています。しかし、生体調節物質の中には苦味を呈するものが多く、また、多くの嗜好品等にみられるように、ある程度の苦味は美味しさの必須要素です。苦味物質は必ずしも排除すべきものではなく、苦味受容機構を理解して苦味を低減・緩和する技術が必要なのです。
■第2部 さとうきび抽出物の特性とマスキング効果 (45分間)
1.さとうきび抽出物について
① さとうきび抽出物とは?
②開発の経緯
③ さとうきび抽出物の製法・種類・効果
2.さとうきび抽出物の利用例
① 各種応用試験例
② 採用例
③ 試作品のご紹介
概要:
「さとうきび抽出物」は、さとうきびに含まれるさまざまな有効成分に着目し開発した製品です。甘蔗を原料に数種の抽出方法により製造しており、風味改善効果、消臭効果、抗酸化効果、感染防御効果などの生理効果があることが確認されています。今回は風味改善を訴求した食品向け製品の効果・応用例を含め紹介します。また、さとうきび抽出物を利用した試食サンプルもご用意します。
■第3部 高甘味度甘味料のマスキング効果による味質改善(45分間)
~マスキング素材としての高甘味度甘味料ソーマチン・スクラロースの活用例~
1.高甘味度甘味料ソーマチン とは
・・・基原や基本特性、特徴など。
2.高甘味度甘味料を用いたマスキング効果
・・・ソーマチン・スクラロースによる味質改善効果について。
3.食品への応用
・・・食品分野別の応用例を中心にご紹介します。
概要:
ソーマチンは、日本では30年以上の流通実績のある植物由来の食品添加物です。ソーマチンは非常に強い甘味を有しますが、他の甘味料とは異なるマスキング効果を発揮し、食品の味にまつわる問題点を改良することができる素材です。また、マスキング効果以外にも、フレーバーを高める効果やコク味を付与する効果など、多様な効果を発揮します。今回は、このユニークな甘味料ソーマチンや、スクラロースのマスキング効果を利用した食品への応用についてご紹介します。
■第4部 糖質(シクロデキストリン・オリゴ糖)によるマスキングとアプリケーション (45分間)
1.マスキングのメカニズム
2.味質のコントロール
① 各種苦味のマスキング
② 酸味のマスキング
③ えぐみのマスキング
3.風味・香りのコントロール
① 香りの保持、劣化抑制
② 臭みのマスキング
4.マスキングを用いたその他の機能
① 難溶性成分の可溶化
② 分解性成分の安定化(退色抑制など)
概要:
本講演では、シクロデキストリン(環状オリゴ糖)やオリゴ糖によるマスキング技術について、アプリケーション例を中心にご紹介致します。配合に含まれる機能性成分や、製造および保存中に発生する苦味やえぐみなどの味質・臭いのマスキングに加え、マスキング技術を利用した香りや色素の保持、さらには、分解性成分の安定化等についてもご紹介致します。
■第5部 苦味特異的マスキング剤の特性と食品への利用 (45分間)
1.苦味物質の特徴とその受容機構
2.苦味特異的マスキング剤(ホスファチジン酸)の開発と背景
3.苦味特異的マスキング剤のメカニズム
4.食品への応用
概要:
リン脂質であるホスファチジン酸は、苦味以外の味に対しては作用せず、苦味を特異的にマスキングする働きがあります。味覚生理学の手法を用いたメカニズム研究とヒト官能評価によるマスキング能を中心に紹介します。また、粉末タイプと油溶解性タイプの2種類の製品(ベネコートBMI)の応用例を紹介する予定です。