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近年、再生可能エネルギーを利用した分散型発電とスマートグリッドが検討されてきたが、東日本大震災における原発の安全神話崩壊以降、これらの普及を加速しなければならない状況となった。また、現在地球温暖化防止が人類最大の課題であり、ハイブリッドカーや電気自動車の普及加速や電気機器のインバーター化が急務である。
これらの装置やシステムにおいては電力変換を頻繁に行う必要があり、効率的な電力変換を実現しているのがパワーデバイスである。パワーデバイスは、発明当初からシリコンを用いて製造されてきており、今後も当面はシリコンパワーデバイスが主流である。一方で、シリコンパワーデバイスの性能が限界に近づいており、SiCやGaN等のワイドギャップ半導体パワーデバイスによりさらなる高性能化を図る動きが活発になってきた。
本セミナーでは、パワーデバイスの用途およびシリコンパワーデバイスの歴史を概観し、ワイドギャップ半導体パワーデバイスの優位性を解説する。ワイドギャップ半導体パワーデバイスにより、高効率化、大容量化、高温動作化、高周波動作化が期待される。それぞれの現状と課題を詳細に解説する。