MLCCの材料・製造プロセスから、低コスト・大容量・小型化や高温への対応といった高信頼性化など、6G・AI・EV時代に向けた要求特性の変化や最近のMLCC研究動向までを幅広く解説

6G・AI・EV時代に求められる積層セラミックコンデンサ(MLCC)技術【WEBセミナー】
小型化・大容量化・高信頼性に向けた材料・構造・プロセスと今後の展望

アーカイブ配信付

セミナー概要
略称
積層セラミックコンデンサ【WEBセミナー】
セミナーNo.
st251108
開催日時
2025年11月19日(水) 10:30~16:30
主催
サイエンス&テクノロジー(株)
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:info@rdsc.co.jp 問い合わせフォーム
講師
防衛大学校 名誉教授 工学博士 山本 孝 氏

【略歴】
1980年3月 京都大学大学院工学研究科博士課程電子工学専攻修了
1980年4月 日本シ-メンス株式会社 入社
1981年3月 株式会社村田製作所 入社
1981年8月 防衛大学校 助手(電気工学教室)
1984年9月 カルフォルニア大学 マテリアル科学工学科
       (ロ-レンツ・バ-クレ-研究所客員研究員)
1987年1月 防衛大学校 講師(電気工学教室)
1988年10月 防衛大学校 助教授(電子工学科)
1994年10月 防衛大学校 教授(電気工学科)
2000年4月 防衛大学校 教授(通信工学科)
2014年1月 大阪府立大学 材料工学科 客員研究員
2014年3月 防衛大学校 教授 定年退職
2014年8月 防衛大学校 名誉教授
2016年4月 大阪府立大学 客員教授
2017年4月 同志社大学 非常勤講師・終了
2022年4月 大阪公立大学 客員教授・継続
2025年3月 大阪公立大学 客員教授・終了

【専門】
電子材料,通信材料,高周波材料,電波吸収体,電波シールド,強誘電体,圧電体,誘電体(MLCC)
価格
非会員: 44,000円(税込)
会員: 42,020円(税込)
学生: 44,000円(税込)
価格関連備考
定 価 :1名につき 44,000円(税込)
会員価格:1名につき 42,020円 2名の場合 55,000円、3名の場合 82,500円(税込)

※上記会員価格は受講者全員の会員登録が必須となります。
※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
※他の割引は併用できません。
※請求書は主催会社より代表者のメールアドレスにご連絡いたします。
特典
アーカイブ配信について
視聴期間:【11/20~11/27】を予定しております。
※アーカイブは原則として編集は行いません。
※視聴準備が整い次第、担当から視聴開始のメールご連絡をいたします。
備考
※資料付
※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。
※開催日の概ね1週間前を目安に、最少催行人数に達していない場合、セミナーを中止することがございます。

【ライブ配信(Zoom使用)セミナー】
・本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
 PCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
・お申し込み後、接続確認用URL(https://zoom.us/test)にアクセスして接続できるか等ご確認下さい。
・後日、別途視聴用のURLをメールにてご連絡申し上げます。
・セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
講座の内容
受講対象・レベル
・セラミックス原料を扱っている方
・電子セラミックスを製造している方
・MLCCを使用している方
習得できる知識
・積層コンデンサ-(MLCC)材料の基礎から評価,応用まで
・原料から完成体まで
・MLCCの高積層・高容量の技術
・積層の技術、その問題点
趣旨
 移動通信システムは, 世代を重ねる中で, 通信基盤から生活基盤へと進化してきた。 5Gは様々な業界で利用されている。生成AI(人工知能)が空前のブームである。同時にその次の技術であるBeyond 5G(6G) は, AIと一体化しサイバー空間を現実世界(フィジカル空間)との融合を目指している。条件付き自動運転の「レベル3」,特定条件下の完全自動運転の「レベル4」といった高度な自動運転技術の普及が〖AI〗技術と相まって,自動車の将来技術 "CASE=自動運転・コネクテッド・シェアリング・電動化(EV化)"に代表されるCASEが自動車業界全体の未来像を語る概念として話題を集めている。来たる『6G・AI・EV』時代の統合到来である。これらの世界を実現するために,受動部品の代表である積層セラミックスコンデンサ-(MLCC) は小型・大容量・高性能・省電力・高信頼化が進んできた。特に, Ni内電MLCCはNi金属の低コスト化を特徴にして大容量・小型化が急激に進んだ。チップサイズは年々小型化し0201タイプ(0.2×0.1mm)の実用化も始まっている。一方,生成AI(人工知能)サーバー向けに1608タイプ(1.6x0.8mm)の100μFの大容量MLCCの量産も発表された。更に,車載市場向2012Mサイズ(2.0×1.25mm)/定格電圧50Vdcにおいて静電容量10µFの量産が始まった。
 当講座ではNi内電MLCCの ”材料から始まって,これらの高積層技術,高信頼性技術”と更に将来展望まで幅広く、且つ詳細に解説を行なう。
プログラム

1.移動通信システムの進化
2.CASEとは, 生成AIとは,AI搭載CASEとは
3.自動車用の電子機器の住み分け
4.自動車用コンデンサの要求性能
5.MLCCのサイズの変遷(民生用,AI用,車載用)MLCCの温度特性による住み分け
6.コンデンサのDC電圧依存性 (Class1 vs Class2 MLCCの温度特性/DC/温度上昇)
7.スマートホンに搭載される電子部品の個数,自動車に搭載されるMLCCの個数
8.展望2023/ 2023村田の業績見通し, MLCCの小型化は更に進むか, AI搭載MLCC
9.MLCCの世界ランキングと市場、MLCC事情,MLCCの世界ランキングが変わる.
10. Ni-MLCCの商用化でIEEE Milestone賞を受賞
11.MLCCをLCR等価回路で考える低ESLコンデンサの利用,Lキャンセルトランス
12. Lキャンセルトランスで,ノイズ対策,近傍アンテナ間のノイズ対策
13.MLCC材料から見たBaTiO3+希土類+アクセプタ+固溶制御材+焼結助剤の歴史
14.COG, NP0特性のCu内電MLCC
15.MLCCの小型化、容量密度の進化、誘電体層薄層化の進化
16.MLCCの進展方向, 小型化, 大容量, 高信頼性, 自動車用コンデンサの要求性能
17.Ni-MLCCの製造プロセス, グリーンシートの技術動向
18.高信頼性MLCCに必要なこと, 微小粒径, コア・シェル構造の利点
19.BaTiO3の誘電率のサイズ効果
20.小型・大容量化の課題,コア・シェル構造の効用
21.薄膜用MLCCに求められる特性, 水熱BaTiO3, 修酸法BaTiO3
22.微少・均一BaTiO3のためのアナターゼTiO2, アナターゼTiO2の合成法
23.固相反応によるBaTiO3 の反応メカニズム
24.水蒸気固相反応法,水を介してBaTiO3の低温反応,
   水で加速する室温固相反応(BaTiO3), Cold sintering は実用化できるか
25.粉砕と分散とは, メデイアのサイズ, メデイアの材質
26. 微小ビーズ対応ミルによるナノ分散テクノロジー最前線
27. 分散技術, 分散質の種類と分散系,分散機構の概要,
  セラミックス粉体の集積技術 (静電集積法)
28. MLCC分野におけるポリグリセリン誘導体の検討,MLCC用添加剤材
29. MLCCへの適用,MLCC焼結体への効果
30. BaTiO3ナノキューブの開発,BTナノキューブ/グラフェン積層体のMLCC適用
31. RFプラズマ法による複合ナノ粒子合成
32. 分級,MLCCの内電Ni粒子に最も重要な技術
33.Niナノ粒子の作り方(分級の役割)
34. MLCCでもう一つ重要な要素,内部電極と外部電極
35. 高積層・高容量MLCCのためのNi内部電極用Ni微粒子、
36. 供材の効果(Ni電極と誘電体の線膨張係数差を如何に少なくする)
37. 2段焼成法のNi内部電極の効果,カバーレッジの向上
38. Ni内部電極の成形メカニズム(膜断面の観察),Ni内部電極の連続性
   (カバーレッジ)向上のメカニズム, “Effects of Metal Precursor Addition
  on the Delaying Low Temperature Shrinkage of Ni Inner Electrode for
  Multilayer Ceramic Capacitor“
39. 熱プラズマNi微粒子の合成,粒度分布,表面不活性
40. Ni電極への添加効果(Ni-Cr, Ni-Sn), Ni-Sn内電MLCCの特性
41. Ni電極印刷法(グラビア印刷),プラズマ法, 微粒子コーテイング法
42. MLCC外部電極(高温対応)
43. セラミックスコンデンサー(MLCC)の温度特性
44. X8R規格のMLCC、(Ba,Ca,Sn)TiO3の特性評価、Caの役割、Snの役割
45. X8R規格のMLCCの他の方法、応力印加効果
46. 電圧印加で容量が増加するMLCCとは,PZT薄膜のキュリー点が600℃???
  歪エンジニアリング、”Strain Engineering”
47. 導電性高分子コンデンサ,フィルムコンデンサ,シリコンキャパシター
48. 2022 Taiwan-Japan Passive Component Technology Symposium
49. 積層セラミックスコンデンサ(MLCC)の信頼性
50. BaTiO3の絶縁性
51. 絶縁破壊と絶縁劣化
52. BaTiO3の絶縁性を上げるための添加物の役割
53. 置換サイトの基本は絶縁性,BaTiO3のどのサイトに入る, 置換サイトの同定法
54. BaTiO3の高温電気伝導に与えるBa/Ti比,希土類効果
55. MLCCの絶縁劣化メカニズム
56. 絶縁抵抗:時間,HALT結果
57. コア・シェル構造の絶縁抵抗依存性
58. Cu, Sn固溶Ni-MLCCの絶縁抵抗時間変化
59. 誘電体の導電メカニズムの分類
60. 薄膜,MLCCのリ―ク電流依存性
61. ショットキー電流とプールフランケル電流
62. Cu-MLCCとNi-MLCCの特性の違い
63. ショットキー電流とプールフランケル電流(MLCC)
64. 劣化時のリーク電流の変化について
65. 酸素欠陥評価法:熱刺激電流
66. 交流インピーダンス・等価回路法による評価,MLCC, SOFCに適用
67. 圧電応答顕微鏡(PFM),接触共振-圧電応答顕微鏡(CR-PFM),KFM法による表面電位測定,
68. 酸素欠陥(熱刺激電流)による酸素欠陥の評価
69. MLCCの絶縁抵抗劣化に及ぼすLa添加効果
70. セラミック/内部電極界面,粒内,粒界を流れる電流,JE特性による分類
71. 最近のMLCC研究動向
72. まとめ
付記)現象論的熱力学を用いたBaTiO3の特性シミユレーション

□質疑応答□

関連するセミナー
関連する書籍
関連するDVD
関連するタグ
フリーワード検索