溶解度パラメータ(SP値・HSP値)の基礎と応用技術

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セミナー概要
略称
溶解度パラメータ
セミナーNo.
stb160304
開催日時
2016年03月16日(水) 10:00~16:30
主催
S&T出版(株)
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:info@rdsc.co.jp 問い合わせフォーム
開催場所
価格
非会員:  50,722円 (本体価格:46,111円)
会員:  48,176円 (本体価格:43,796円)
学生:  50,722円 (本体価格:46,111円)
価格関連備考
49,800円 会員価格 47,300円 ※昼食・資料代を含む
  <1名様分の受講料で2名様まで受講できます>
  ※2名様ご参加は同一会社・法人からの同時申込に限ります。
  ※2名様ご参加は2名様分の参加申込が必要です。ご連絡なく2名様のご参加はできません。
  ※3名様以上のご参加は、追加1名様あたり10,800円OFFになります。
講座の内容
趣旨
J.H.Hildebrandが正則溶液理論の研究において定義した溶解度パラメータ(Solubility Parameter:δ[J/cm3]1/2)は、物質(気体・液体・固体)の凝集エネルギー密度の平方根で示される物質固有の物性値であり、SP値として一般に知られています。現在でも、SP値は、物質-物質間の溶解度、ぬれ性、接着性、溶媒中微粒子の分散性の評価に多用されている。C.M.Hansenは、Hildebrand が提案したSP値の凝集エネルギーの項を、それぞれの物質の分子間に働く相互作用エネルギーの種類によって分割し、SP値を、分散力項(δd)双極子間力項(δp)、水素結合力項(δh)として表し、Hansen溶解度パラメータ(以下:HSP値)として提案した。現在、HSP値は高分子-溶媒間、高分子-高分子間などの相溶性評価、ナノ粒子の溶媒中での凝集・分散性評価、樹脂の溶媒に対する耐性評価など広く用いられている。また、HSP値は、化学製品の製造工程において、溶質に対する最適溶媒の選択や混合溶媒の最適な組み合わせの選定、さらに、最適混合比などにも有効であることが報告されている。近年、Hansenの研究グループは、分子構造が未知である高分子やフラーレン、カーボンブラック、TiO2などの微粒子・ナノ粒子表面のHSP値を実験的に求める新しい手法として、Hansen solubility sphere法(以下Hansen溶解球法)を提案しており、その汎用性の高さから現在多くの研究者から注目されている。
 ここでは、SP値の基礎としてHildebrand(δ)およびHansen(δd,δp,δh)溶解度パラメータの計算方法およびHSP値を用いた物質-物質間の溶解性、ぬれ性、溶媒中の微粒子の分散性評価の方法について基礎的な概念を紹介し、分子構造や組成が明らかでない物質のHSP値をHansen球法により求める方法について報告する。
プログラム
はじめに
 ○“Hildebrand溶解性パラメータについて(原著より)”
 ○正則溶液理論から導かれた溶解性パラメータの意味
 ○物性値としての溶解性パラメータの価値
 ○一般的な物質(気体・液体・固体)の溶解性パラメータの総論
 ○HildebrandおよびHansen溶解性パラメータの相互関係

1. 溶解平衡の基礎知識
 1.1 物質の溶解現象と溶解度
 1.2 液体の種類と特性
 1.3 溶解度に関係した溶液モデルの種類
 1.4 溶解度に寄与する因子

2. 溶解性パラメータの推算に利用できる液体の一般通性
 2.1 溶解度
 2.2 蒸気圧
 2.3 臨界定数(臨界温度、臨界圧力、臨界体積)
 2.3 密度、沸点、融点、表面張力、屈折率

3. 溶解度の測定法および測定装置
 3.1 溶解度測定に影響を与える因子
 3.2 気体の溶解度と測定装置と測定方法
 3.3 液体の溶解度と測定装置と測定方法
 3.4 固体の溶解度と測定装置と測定方法

4. 溶解性パラメータ(SP値)の基礎と応用
 4.1 Hildebrandの溶解度パラメータ(SP値)の定義
 4.2 Hildebrandの溶解度パラメータの計算方法
 4.3 Hildebrand溶解度パラメータによる溶解性評価の基礎

5. Hildebrand溶解性パラメータの種々物性からの計算方法
 5.1 蒸発熱からのSP値の計算方法
 5.2 Hildebrand RuleによるSP値の計算方法
 5.3 表面張力からのSP値の計算方法
 5.4 屈折率からのSP値の計算方法
 5.5 溶解度からのSP値の計算方法
 5.6 HLB値からのSP値の計算方法
 5.7 その他のSP値の計算方法

6. 溶解性パラメータ(SP値・HSP値)の分子グループ寄与法による計算
 6.1 Hildebrand(SP値)
 6.2 Smallの計算方法
 6.3 Rheineck & Linの計算方法
 6.4 Kreveren & Hoftyzerの計算方法
 6.5 Fedorsの計算方法
 6.6 Hansenの計算方法
 6.7 Hoyの計算方法

7. 溶解性パラメータのプログラムによる計算演習
 7.1 液体および液体のSP値のプログラムによる計算例
 7.2 分子構造からのSP値のプログラムによる計算例
 7.3 SP値計算プログラムの紹介(Fedors,Hansen,Hoy法)

8. Hansen溶解性パラメータ(SP値)を用いた溶解性の評価法
 8.1 Hansenの溶解度パラメータの評価法
 8.2 SP値の三角線図による評価
 8.3 SP値の3Dプロットによる評価
 8.4 溶解度パラメータを用いた溶解性の評価(HildebrandとHansenのSP値の比較)

9. Hanse球法(HSPiP法)による物質の溶解性パラメータの測定評価
 9.1 Hansen Solubility Sphere Methodの原理
 9.2 Hansen球法の実験方法
 9.3 Hansen球法のプログラム
 9.4 微粉体、ナノ粒子のHansen SP値の測定および実測例

おわりに(まとめ)
 ○現場における溶解性評価の高度化・迅速化に対するSP値の価値
 ○溶ける、溶けないを見極める意味
 ○溶解に係る新規材料開発の方向性
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