第一部 金属ナノ粒子の設計と合成、実用化における問題点とその解決
金属ナノ粒子は、表面効果や体積効果、量子効果により、バルク金属にはない様々な物性を有しており、新材料として注目されてきました。しかしながら金属ナノ粒子は、研究開発がはじめられて30年近く立っていますが、触媒用途を除いてはほとんど産業利用されていない状況です。この金属ナノ粒子の産業応用が進んでいない背景には、材料のハンドリングや、従来のプロセッシング概念と技術の問題があり、大きく実用化するためには、これらの解決とLCC(ライフサイクルコスト)やLCA(ライフサイクルアセスメント)も踏まえた材料設計・材料プロセッシング設計が必要になります。本セミナーでは、金属ナノ粒子の歴史と現状の問題を解説し、問題を解決するための新しい概念・設計指針を示すとともに、金属ナノ粒子・金属ナノ材料の更なる応用展開を実例と共に紹介します。
1.金属ナノ材料の歴史と現状
1-1.材料のナノサイズ化
1-2.金属ナノ粒子の特徴と歴史
1-3.合成におけるコストと環境負荷
1-4.金属ナノ粒子の問題と現状
1-5.液相ナノ粒子の常識・問題点
1-6.金属ナノ粒子の問題点の解決
2.コストと環境負荷を両立する金属ナノ粒子合成法
2-1.新しい金属源と合成法概念
2-2.固液合成法概念
2-3.超音波の利用(超音波プロセッシング)
2-4.マイクロ波の利用(マイクロ波プロセッシング)
2-5.固液系ナノ材料プロセッシングとその特徴
2-6. Agナノ粒子(貴金属ナノ粒子)
2-7. Agナノ粒子担持コンポジット
2-8. Ptナノ粒子(貴金属ナノ粒子)
2-9. カーボン/ Ptナノ粒子担持コンポジット
2-10 Cuナノ粒子(卑金属ナノ粒子への展開)
3.金属ナノ粒子の応用技術
3-1.Agナノワイヤー透明導電膜(有機前駆体ペイント還元法)
3-2.Gaナノ粒子と酸化ガリウムナノ粒子の合成
3-3.Crナノ粒子を用いたCrメッキ代替技術
3-4.合金ナノ粒子合成技術
4.まとめ
【質疑応答・名刺交換】
第二部 金属ナノ粒子のインク化とパターン形成による評価、応用
金属ナノ粒子とこれをインク化した金属ナノインクについては、特にプリンテッドエレクトロニクス分野への応用を見据えて長年の検討が行われてきています。しかしながら、業界の予想以上に実用化が難航してきた経緯があり、その難しさやつまずきについて正しく把握することは大きな教訓となります。ナノ粒子への期待とこれまでの開発経緯、またその用途や要求性能のトレンドの変遷について、開発事例の紹介を含めて解説します。一方で、現在プリンテッドエレクトロニクスはいよいよ実用化間近というステージに入ってきており、ナノインクのユーザーが増えてきています。ユーザー視点からは、ナノインクの使い分け、印刷方法による違い、インクや導電パターンの評価方法などが見えにくく、開発の障壁となっているようです。本セミナーでは事例を交えながら、ナノ粒子やナノインクの選び方や使い方のコツ、またその簡単な評価方法について解説します。
1.材料としてのナノ粒子とナノインク
1-1.ナノ粒子とは
1-2.Agナノ粒子
1-3.その他の金属ナノ粒子
1-4.金属ナノインクの調製
1-5.金属ナノインクの物性
2.プロセスとしてのプリンテッドエレクトロニクス
2-1.プリンテッドエレクトロニクスの概念
2-2.基板の種類と用途
2-3.印刷方法の種類と使い分け
2-4.導電化処理
3.金属ナノインクのテストパターン形成と評価
3-1.印刷性評価
3-2.導電性評価
3-3.マイグレーション特性評価
3-4.半導体基板評価技術への応用
3-5.半導体デバイス評価技術への応用
4.金属ナノインクの応用事例
4-1.配線形成材料、超微細配線形成材料
4-2.透明導電膜形成材料
4-3.パワーエレクトロニクス用接合材料
4-4.光沢塗料
4-5.その他
【質疑応答・名刺交換】