・日米で異なる査察ポイント(GCTPとFDA査察〈GTP/GMP/PLI〉の違い)とは?
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第1章 総論:日米の再生医療等製品制度の位置づけ
1-1 日米ともに細胞・遺伝子治療を重点管理対象として規制
1-2 規制思想は類似だが、制度体系・分類体系・審査アプローチに大きな違い
1-3 日本:法規で「再生医療等製品」としてカテゴリーを定義
1-4 米国:HCT/P制度(21 CFR 1271)でリスクベース分類
1-5 グローバル開発では“日米の分類差”が実務に影響
第2章 法体系の比較(薬機法 vs FDCA/PHS Act)
2-1 日本(薬機法体系)
・ 薬機法で「再生医療等製品」を定義
・ 細胞加工製品/遺伝子治療用製品を包括
・ カルタヘナ法との二重規制(生物多様性影響評価)
・ GCTP:再生医療等製品専用のGMP
・ PMDAが審査・相談を担当
2-2 米国(FDA法体系)
・ FDCA+Public Health Service Actが根拠
・ HCT/P(Human Cells, Tissues, Cellular and Tissue-Based Products)制度
・ 361製品(医薬品扱いしない)と351製品(BLA必要)に分類
・ GTP(Good Tissue Practice)+GMP
・ FDA(CBER)が規制・審査
第3章 製品カテゴリーの比較(再生医療等製品 vs HCT/P)
3-1 日本
・ 再生医療等製品として法律上カテゴリー化
・ 自家細胞も原則「医薬品」扱い
・ 遺伝子治療は全て薬機法上の医薬品
・ 条件・期限付き承認制度が存在
3-2 米国
・ HCT/P制度に基づき「リスクベース分類」
・ 361製品:最低限の規制(医薬品扱いではない)
・ 351製品:生物学的製剤扱い → BLA必要
・ 自家細胞でも条件により361扱いに
・ 遺伝子治療は全て351分類
第4章 開発制度の比較(治験届 vs IND)
4-1 日本(PMDA)
・ 治験開始:治験届(届出制)
・ PMDA治験相談(戦略・総合)が充実
・ 承認申請後の信頼性保証調査
・ 特例承認制度(条件・期限付き承認)あり
4-2 米国(FDA)
・ 治験開始:IND(許可制)
・ Pre-IND Meetingは必須レベル
・ 迅速化制度が強力
〇 RMAT
〇 Breakthrough Therapy
〇 Fast Track
〇 Orphan
・ 承認はBLA(Biologics License Application)
第5章 CMC・品質管理の比較(GCTP vs GTP/GMP)
5-1 日本の特徴(GCTP中心)
・ 再生医療等製品専用のGMP=GCTP
・ 原材料(細胞・ウイルス)の特性解析
・ 製造スケールアップ後の同等性(ICH-Q5E)
・ プロセス変更時の比較データ重視
・ 認可前の信頼性保証調査が厳格
5-2 米国の特徴(GTP+GMP)
・ GTPでドナー適格性・汚染防止・トレーサビリティ
・ 351製品はGMPフル適用
・ Adventitious Agents管理の要求が厳しい
・ Comparability protocol(工程変更事前承認)
・ Pre-License Inspection(PLI)で詳細査察が行われる
第6章 製造施設要件の比較
6-1 日本
・ GCTP:製造室、設備、清浄度、バリデーションの要求が明確
・ 医療機関内での加工も一定規制
・ 施設登録制度あり
6-2 米国
・ 361製品:GTP のみ
・ 351製品:GTP+GMP
・ 施設基準は製品リスクに応じて変動
・ 医療機関での加工は「施術寄り」扱いとなる場合もある
第7章 承認制度・市販後対応の比較
7-1 日本
・ 条件・期限付き承認(世界的にも特徴的)
・ 再審査制度(Post-marketing re-evaluation)
・ GVP/GPSPによる市販後安全管理
・ 製造販売後調査(再生医療特有の設計)
7-2 米国
・ BLA承認制度
・ Lot Release Program(ロット提出)
・ PMR(Postmarketing Requirements)
・ LTFU(長期フォロー:遺伝子治療で15年)
・ Annual Report義務
第8章 日米制度比較から見える実務的課題
8-1 日本データが米国BLAに使用できない場合がある
8-2 工程変更に伴う比較データの深度が米国の方が厳しい
8-3 日本のGCTPが米国査察で必ずしも高評価されない場合あり
8-4 米国査察(PLI)は日本企業が最も苦労しやすい
8-5 LTFU対応(15年)は日本にない概念
8-6 米国でのバンク管理(細胞・ウイルス)要求が重い
8-7 サプライチェーン(物流・保管)の適合性が問われる
第9章 まとめ:日米の本質的な違い
9-1 日本:カテゴリー基準(再生医療等製品という法的枠組み)
9-2 米国:リスク基準(HCT/Pで361・351を分岐)
9-3 日本:早期実用化重視(条件・期限付き承認)
9-4 米国:安全性重視(LTFU・バンク管理・GTP/GMP)
9-5 日本:伴走型のPMDA相談
9-6 米国:科学的データの厳格な審査・査察
10.質疑応答、討論など